ムーンフェイズ再発見[ムーンフェイズの精度を追求するA.ランゲ&ゾーネ【月面博覧会】]

2017.06.23

自社製ムーブメントのCal.L096.1は、裏側に特許申請中の「軌道ムーンフェイズ」を搭載。時刻表示と大きな軌道ムーンフェイズを完璧な精度で動かすために、香箱をふたつ搭載し、約14日間のパワーリザーブを実現した。
吉江正倫、矢嶋修:写真 Photographs by Masanori Yoshie, Osamu Yajima
広田雅将、篠田哲生、鈴木幸也(本誌)、河合雅士(本誌):取材・文
Text by Masayuki Hirota, Tetsuo Shinoda, Yukiya Suzuki (Chronos-Japan), Masashi Kawai (Chronos-Japan)

技巧派A.ランゲ&ゾーネは、これまで数々の複雑機構を生み出してきた。しかし、ムーンフェイズ機構にも力を入れていると聞いて、意外だと思う人も多いのではないか。
ディスクを回転させて月の満ち欠けを示すこの機構は、16世紀には開発されていたという説もあるほど歴史は古く、故に機能面の熟成は十分に進んでいる。
現代のA.ランゲ&ゾーネでは、100年単位で月の満ち欠けに対する精度にこだわっている。その特別なメカニズムと傑作たちを、ここで紹介しよう。