ブランパンは、4つのゴングで2種類のメロディーを奏でる、ブランパン史上最も複雑な「グランド ダブル ソヌリ」を発表した。本作は、グランドソヌリ、ミニッツリピーター、フライングトゥールビヨン、レトログラード式による永久カレンダーを統合したグランドコンプリケーションとなる。文字盤側、ケースバック側ともにオープンワークが施され、数多くの部品が組み合わさって作動する様と、そこに施された上質な仕上げを堪能できることもポイントだ。
ふたつのメロディーを奏でることができる「グランド ダブル ソヌリ」が登場
ブランパンは、4つのゴングで2種類のメロディーを奏でる点が特徴の「グランド ダブル ソヌリ」を発表した。本作は、グランドソヌリ、ミニッツリピーター、フライング トゥールビヨン、レトログラード式による永久カレンダーを統合したグランドコンプリケーションである。そして、本作が奏でるメロディーとは、ウェストミンスターの鐘のメロディーと、ロックバンド「KISS」のドラマーであるエリック・シンガーによるオリジナル曲「ブランパン」だ。
手巻き（Cal.15GSQ）。67石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約96時間。18KRGケースあるいは18KWGケース（直径47.0mm、厚さ14.5mm）。10m防水。年間2本。
本作の開発コンセプトは、「グランドソヌリの領域を拡張するタイムピース」である。一般的なグランドソヌリは、低音と高音の2音を使い分けて、信号のように時刻を伝える。これに対して本作は、ミ、ソ、ファ、シの4音のゴングを備え、メロディーを奏でることを可能とした。そして、この4音によってウェストミンスターの鐘の旋律に加え、世界的なロックバンド「KISS」のドラマーを務めるエリック・シンガーが本作のために書き下ろした楽曲の「ブランパン」を演奏する。どちらのメロディーを演奏するかは、ケース側面のスライダー操作によって切り替えることが可能だ。
4音のレゾナンスを引き出す、ふたつの独自機構
メロディーを演奏できるようになると、その音質にも気を配りたくなる。ブランパンは、本作の鳴らす鐘の音を明瞭にユーザーの耳に届けるため、ふたつの特別な機構を搭載している。ひとつめは、独自開発の磁気式静音レギュレーターである。一般的に、打鐘のテンポを制御するガバナーは、回転機構と、回転速度が上がると作動するブレーキによって構成され、作動音が付き物であった。これに対して本作では磁気を活用して、鐘の音にとってノイズとなる作動音を排除し、打鐘のテンポも安定させている。
もうひとつは、ベゼルに組み込まれたゴールド製の音響膜である。この音響膜は、ムーブメントからケース外へと音を効率よく伝え、小さな音量でも明瞭で余韻豊かな響きを実現する。ここに使用する素材は、“鮮明な豊かさ”というイメージを実現するために、吟味の末にゴールドが選ばれた。
グランドソヌリ、プチソヌリ、ミニッツリピーターは、時刻表示用とは別に用意された専用の香箱から動力を得て作動する。これにより、グランドソヌリモードで約12時間の打鐘を行うことが可能だ。文字盤の9時方向から12時方向にかけて、4つのゴングと磁器式静音レギュレーターが搭載されており、オープンワークによってその作動を鑑賞可能である。
見どころの多い「ブランパン史上、最も複雑な腕時計」
そのほかの機能も見どころが多い。7時位置にはフライングトゥールビヨンが配され、ダイナミックな作動を見せる。シリコン製ヒゲゼンマイを採用することで耐磁性能と作動の安定性を高めており、毎時2万8800振動へとハイビート化しているにもかかわらず、時計機能のパワーリザーブは約96時間だ。
6時位置から12時位置にかけて、1から31までの日スケールが配されており、レトログラード方式による日付表示となっている。2時位置には曜日表示、4時位置には月表示と閏年表示が配され、永久カレンダーを構成している。
直径47mm、厚さ14.5mmのケースには、総部品数1116個のCal.15GSQが収められている。文字盤側、ケースバック側ともにオープンワークが施され、「ブランパン史上、最も複雑な時計」の機構を鑑賞可能だ。各部品の仕上げの品質は非常に高く、最もダイナミックに作動するフライングトゥールビヨンのキャリッジに施されたポリッシュ仕上げ、18Kゴールド製の地板とブリッジに施されたペルラージュやストレートグレイニング、内角の面取りといった、手作業による入念な仕上げを堪能することができる。
