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昨日、例の方が時計をなくしたのに怒らないのは偉い、というコメントをいただいたのですが、怒らないのには訳があるんです。

８年前に亡くなった母が、亡くなる前に脳梗塞で寝たきりになって、入院していたときのことです。
看護婦さんから、
「こういうふうに寝たきりになって、点滴で栄養をとるようになると、どうしても浮腫むんですよ。なので、お母さんの指輪は外したほうが良いですね。」
と、言われました。
「へぇ～、そういうものなんですか。」
「外しますから、息子さん、預かって下さい。はい、お願いします。」
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私は、外してもらった指輪が傷ついたりしないようにチリ紙に包んで、ポケットに入れました。

で、ここまでは覚えているんですが、その後、その指輪をどうしたのか、全く記憶が無く・・・。

母の死後、四十九日を過ぎた頃でしょうか、妹達と母の遺品を片付けていたら、
「そういえば、火葬する前に、誰かお母さんの指輪、外した？」
「外した覚えが無いね～。もしかして一緒に焼いちゃったかも・・・。」
と、妹達が話しているのを聞いて、ハッと病室での事を思い出したんです。
「ゴメン、実はコレコレで・・・・。で、その後の記憶が無いから、おそらくゴミだと思って捨てちゃったんだと思う。」

言い出しにくかったんですが、言わずにいるのも心苦しいので、思い切って白状しますと、
「ああ・・・、別に良いよ。普段着けてた指輪だから高いもんじゃないだろうし。」
「外してあったんなら、それで良いよ。どうなったかな～？って、思っただけだから。」
と、あっさりと許してくれたんです。
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私は、妹達の言葉で、もの凄く救われました。
こういうことがあったので、今回時計をなくした例の方を責めなかったのです。

無くしたことを一番気にしているのは、間違いなく例の方ですし、大事にしてくれていたのも知ってますからね。

でも、もう一度時計を無くしたとしたら、間違いなく怒ると思います（笑）。