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おじさんは痛い。何をしても痛い。そういう生き物であり疑問の余地はない。
いい歳こいてオサレしてみようにもポパイぐらいしか読んでいない
人生だったもんだからうっかりアメカジになってしまう、そういう
生き物である。もうちょいどうにかならんかとスリッパみたいな革靴
に凝って奇麗に磨けたと言ってみたりするものの、本来そうした靴を
磨くのはアルフレッドみたいな人であって、ブルース・ウェインは
夜な夜なゴッサムに出かけるのである。痛い。実に痛い。

そしてアメカジから外してみようにもなんか痛カジになってしまって、
そんなこんなでうっかりフライトジャケットおじさんになってしまう。
運がよければ奇麗なドカジャンくらいはみて貰えるし、ノウガキも
色々語れるもんだからなんとなく付加価値や満足感も得られてしまう。
が、そうした事柄は文化系説教おじさんと大差なくて痛い。実に痛い。

ヨタヨタの説教野郎になめられてたまるかよ、俺達ァ健康優良不良中年だぜ、
と言いたくとも肩や腰が痛かったりとかで、それもままならなくて痛い。
にっちもさっちもどうにもブルドッグなんだけれど、どうせフライト
するならフライ・ミー・トゥー・ザ・ムーンなスペースカウボーイか
バトルシップの老兵のようになりたいものである。
ジョー・ストラマーが言うように、月へ手を伸ばせ例え届かなくてもと。