[webChronos] -- 時計専門誌「クロノス日本版」オフィシャルSNSサイト --

• 

えーお　えーお　えーーーお　えーーーお　えーおと言えばえーおである。
怒りのデス・ロード状態となったボラプことボヘミアン・ラプソディである。
思ったよりちんまりしてオーソドックスな手堅い仕上がりだけど、なんだ
かんだでライブエイドでクッソ盛り上がるのは音楽の力というものだ。

事実と異なる箇所があるのはその通りだし、批判を免れないのはさもありなんで、
確かにひっかかるところがあるんだけれど、それを言いだしたら時計のお話なんて
ウソばっかだし、それを真実だと思ってしまうのはかなりアレではあるけれど、
真実がいつも最善とは限らない、人々には希望が必要であり、美しいウソなら
全然アリだ。それがお話の力というものだ。問題はそのウソを信じる事ではなく
見合った金額に伴うウソを欲しがってしまう、という点であり、こんな大嘘に
何百万と払ったぜ、どうせすぐブッ壊れるのに、という心の豊かさがないことだ。

ウソはロマンチックなものだから、そこにお金を払うのはなんら悪いことではない。
しかしロマンチックなものにコストパフォーマンスの話は下品だし、どうして
高額であるのかという問いに対してこれだけのコストがかかっているのだから、
というのであれば、最低賃金をケチるようなことなんかしていないから、という
シンプルな答えでしかない。スイスの女性が奴隷みたいな賃金で時計を仕上げを
しているという事実に荷担したいなら話は別だけれど、そんな事はしたくない。

この時計をしていると気分がいい、ただそれだけのシンプルな答えで十分だ。
音楽もそうだ。答えはいつだってシンプルなものである。そしてシンプルな
スリーコードが無限であるように、お話はシンプルで他愛もないものなのだ。