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がーひらさんのブログ

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「偏屈のすすめ」(F.P.ジュルヌ) 感想2020年04月29日15:48
今回は時計関連の本の感想です。

著者のF.P.ジュルヌ氏は、時計好きの方で知らない人は殆ど居ないと思います。
時計師として数々の賞を受賞した他、ハリー・ウインストン「オーパス1」の設計でも有名です。
この本でジュルヌ氏は自身の半生を振り返りながら、その時々に思った事や感じた事を語り、そしてその中でジュルヌ氏の時計に対する想いが語られています。

偏屈とタイトルにあるのですが、この本を読んで、僕はジュルヌ氏を偏屈だとは全く思いませんでした。
むしろ、自分の信じた道を進み、時計と真摯に向き合う、素直な人だと感じました。

ジュルヌ氏は時計作りに於いて、マーケティング等の他の人の意見ではなく、自分が作りたい物を作るというのを、一番重視しているそうです。
時計師としての技術や才能も素晴らしいのですが、その姿勢が多くの人をジュルヌ氏のファンにしていると書かれており、その部分に大いに共感しました。
今まで僕はF.P.ジュルヌの時計は実物を見た事が無いのですが、いつか青山のブティックに行き、実物を見たり話を聞いたりしたいです。

僕がこの本で一番印象に残ったエピソードは、ジュルヌ氏が自分の時計作りに、いつ自信を持ったかについて書かれている所です。
ジュルヌ氏は時計コレクターや時計の関係者に意見を貰った時ではなく、レストランのウエイトレスに自分の時計を褒められた事によって、自分の時計が世間に通用すると思ったそうです。
これはF.P.ジュルヌの時計が、時計好きだけのマニアックな物でなく、多くの人に認められる魅力を持った時計である事を、端的に表すエピソードだと思います。

この本はジュルヌ氏が語る様に書かれているので読みやすく、ジュルヌ氏の時計との関わりが深く知れて、とても面白く読めました。
F.P.ジュルヌに興味のある方だけでなく、時計ビジネスや造り手の思いを知りたいと思っている時計好きの方々に自身を持ってお薦めできる本だと思います。

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