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・・・前回からの続き・・・

時計の価格というものを知らなかった私は、５００万あれば６，７本の時計の購入に十分に間に合いお釣りもくるかも、という甘い考えを捨てざるを得ませんでした。

幸い、免許はあるものの車の運転をしない私は、車にお金がかかるという事もありませんでした。

また、現在は独身で子供も無く、よって養育費を支払う必要もありません。（ここんトコ、突っ込まないで下さいね。）

趣味といえばカメの飼育とＱＰ集めくらいで、家は父が建てたものがあります。

毎月、給料の半分くらいを資金に足していけば、３年で、あと５００万は時計に遣えそうです。

商売をしていると、休日といっても色々と仕事もあり、そのため遠くまで遊びに行く暇もなく、本を読んだり、ちょっと食事に行ったりするくらいでしたので、給料もそれほど遣っていませんでした。

・・・資金は、何とかなりそうでした。



一ヶ月かけて、インターネットや時計の書籍・雑誌で下調べを済ませた私は、すぐにでも動こうとしました。

が、年末の忙しい時期に入ってしまい、本格的な行動は、年が明けて仕事が落ち着いてからとなってしまいました。

とりあえず資金を手元に置いておこうと、５００万の定期預金を解約することにして、銀行のＨさんに手続きにきていただきました。

Ｈさん・「何かにお使いになるんですか？」

私・「時計です。」

Ｈさん・「えっ！そんな高い時計を買うんですか！もう３本あるじゃないですか！」

私・「いろいろ考えがありまして。ただ、これで私が時計を買う事は、Ｓさんには内緒にして下さい。」

Ｈさん・「・・・Ｓが何か失礼な事でもしましたでしょうか。」

私・「失礼というほどの事でも無いですが・・・。とにかく、Ｓさんには内緒でお願いします。」

これで５００万、さらに年末の役員賞与１００万、合わせて６００万を当面の資金として準備する事が出来ました。



年も明け、まず購入しようとしたのは、ゼニスとＩＷＣです。

仙台に正規代理店があるので、見に行くことにしました。

特に気になっていたのは、ゼニスのクロノマスターオープンです。

雑誌での評判も良く、エルプリメロはデイトナにも使われていたと知っていたので、

（これなら復讐の最初の１本にふさわしい）

と、考えたからでした。

ただ実際に見てみると、どこが気に入らないのか分かりませんでしたが、何となく良い感じがしませんでした。

それでも雑誌での評判が良かったので、少し引っかかるところもあったのですが、購入を決めました。

http://www.webchronos.net/sns/?m=pc&a=page_fh_album_image...

（売ってしまったので「ピンクパンサーＱＰとクルーゾー警部ＱＰ」）



購入したクロノマスターオープンですが、実際に使ってみると、やはり使い難かったです。

パワーリザーブの針と時針を見間違うことが時々あって、瞬時に時間を判断し辛く、そこが気になって仕方ありませんでした。

（別の時計にするべきだったかな？）

と、思い始めていました。



ゼニスを購入後、集金にいらしたＨさんが、買った時計を見たい、と言うので、お見せしました。

「ゼニス、知ってます！Ｓもゼニス持ってましたよね。」

そう言われた時、私は大きな間違いに気付きました。

（同じブランドでは、叩き潰すのは難しい！）

嗚呼、何故こんな事に気付かなかったのでしょう。

もっと上のブランドの時計を買わなければ・・・。

考えを改めた私は、使い難いと思っていた事もあり、クロノマスターオープンを手放す決心をしたのでした。



クロノマスターオープン購入の件で学んだ事は、

「雑誌などで褒められていても、気に入らない時計は買わない」

という当たり前の事でした。



～まだまだ続く～