「リボルバー・リリー」などを手掛けた映画監督の行定勲が愛用する時計はブライトリング

LIFEセレブウォッチ・ハンティング
2024.04.14

さまざまなジャンルの有名人が愛用する時計に着目して紹介する「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は綾瀬はるか主演で話題となった「リボルバー・リリー」や「私立探偵 濱マイク」、「世界の中心で、愛をさけぶ」などの作品を手掛けたことで知られる、映画監督の行定勲が愛用しているブライトリングの「モンブリラン 38」に注目した。

沼本有佳子:文
Text by Yukaco Numamoto
[2024年4月14日掲載記事]

演出力に定評があり、さまざまな新しい試みを続ける映画監督の行定勲

行定勲

写真:アフロ
2023年8月31日に韓国・ソウルにあるスタンフォードホテルで撮影された行定勲。この会見は自身初となる韓国ドラマ「完璧な家族」の演出作の記者懇談会のものだ。行定勲の他、プロデューサーのソ・ジュワン、俳優のキム・ビョンチョル、ユン・セアなどが出席した。

 熊本県出身の行定勲。小学生の時に熊本城で黒澤明監督の映画「影武者」の撮影現場を見て「映画を作る人になりたい」と思ったことをきっかけに、映画への興味を育んでいった。「影武者」のエンドロールを見て映画に関わった人数をカウントするだけのために、映画館に2回通ったという。数えた結果、200名ほどが作品に関わっていると分かり「その中のひとりになりたい」と思ったことから、映画界への道に進んだそうだ。

 熊本県立第二高等学校を卒業した後に、映像系の専門学校である東放学園映画専門学校へ進学した。在学中から制作会社に入社している。主に岩井俊二監督作品の助監督として参加を重ねていった。「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」や「スワロウテイル」「Love Letter」などの同監督作品に参加している。

 転機となった作品は長編映画の初監督作品「OPEN HOUSE」だ。この作品で、1998年の「みちのく国際ミステリー映画祭in盛岡」にて新人監督奨励賞グランプリを獲得している。この作品がきっかけでプロデューサーからの依頼が来るようになったという。初の劇場公開作品となった「ひまわり」では、第5回釜山国際映画祭批評家連盟賞を得た。宮藤官九郎が初めて映画脚本を手掛け、主演に窪塚洋介を迎えた「GO」は、第25回日本アカデミー賞にて作品賞、最優秀主演男優賞最優秀助演女優賞など、数多くの賞を獲得するという成功を収めた。

 その後は「世界の中心で、愛をさけぶ」「北の零年」「春の雪」「リバーズエッジ」などのヒット作品、話題作の監督を務めている。コロナ禍を機に、新たな試みにも挑戦しており、伊藤ちひろとリモート作業にて、共同脚本の映画「きょうのできごと a day in the home」の制作にも取り組んだ。感染予防のために呼びかけられた外出自粛は映画業界をはじめ、エンターテイメント業界にとっては大打撃となったに違いない。だが「落ち込んでも何も生み出せない。困難な状況だからこそ作品作りを諦めてはならない」という決意を持って取り組んだ姿勢から、ポジティブな考え方の持ち主であることがうかがい知れる。


行定勲は、初代クロノマットのデザインを翻案したブライトリング「モンブリラン 38」を愛用

モンブリラン 38

行定勲の手元のアップ。

 2023年8月31日に韓国・ソウルにあるスタンフォードホテルで撮影された行定勲の手元を見ると、ブライトリング「モンブリラン 38」と思われる腕時計の着用が見られた。特徴的なケースの形状、ブレスレットの7連リンクのデザインから推測できる。ケース径が38mmと、ブライトリングの中では比較的小さなサイズのモデルだ。

 ブライトリングのナビタイマーが欲しいと思っても、サイズ感で踏みとどまる人はいるのではないだろうか。「モンブリラン 38」は1942年に発表された初代クロノマットのデザインを翻案したもので、インダイアルの数字配列や、中央の赤いデシマルメーターに発表当時のデザイン要素を残しながら、現代的にリニューアルされている。12時間積算計が追加され、プッシュボタンの形状が円筒形になるなど、少し変更が加えられている部分はあるものの、初代クロノマットの雰囲気を持ったまま38mmという小ぶりなケースに仕上げられているため、ナビタイマーのサイズ感にしっくりこない人にはちょうどいいサイズだ。現在のクロノマットとはデザインが異なるが、ナビタイマーのルーツとなる雰囲気を感じ取れる。

「モンブリラン 38」は2007年から2010年頃まで製造されており、ケース径38mmはブライトリングでも指折りの小さなサイズのクロノグラフだ。現在は生産終了しているが、中古市場で人気があるモデルだ。モンブリランという名前は、ブライトリングの工場が建設されたモンブリラン通りという場所が由来である。

 搭載されるムーブメントはブライトリングのCal.41で、約42時間のパワーリザーブを備える。もともとモンブリランは1995年に登場したシリーズ。ロゴが筆記体で、ブルーのクロノグラフ秒針を採用したバージョンなども存在し、今もファンが多いモデルである。

モンブリラン 38

ブライトリング「モンブリラン 38」
自動巻き(Cal.41)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径38mm)。3気圧防水。


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