グランドセイコーとクレドールって違うの? モデルから見るそれぞれの特徴

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2024.05.08

セイコーはジャパンメイドの時計として世界的に高い評価を獲得。その中でもブランドのグランドセイコーとクレドールもそれぞれ根強い人気を誇っている。各ブランドにはどのような違いがあるのかを解説し、おすすめモデルを厳選して紹介する。


セイコーの基礎知識

グランドセイコーとクレドールは、どちらもセイコーから独立したブランドだ。それぞれの特徴やセイコーの歴史を理解しておこう。

1881年創業 世界に誇る国産時計の巨頭

セイコーは1881年に創業し、わずか30年間で当時の国内における時計生産量の6割を占めるまでに成長。その後はスイスの天文台コンクールでも高い評価を受けるなど国内外で存在感を高めていった。

1969年には世界初のクォーツ式腕時計を発売し、世界に衝撃を与えた。スイスをはじめとしたヨーロッパの機械式時計産業が一時的に大きく売り上げを落とす、いわゆる「クォーツショック」を引き起こしたのだ。

もっとも、クォーツ式腕時計を実用化する前から、セイコーは機械式腕時計の技術においても、スイスの名だたるメーカーに肉薄していた。1964年の東京オリンピックでは公式計時を務めるなど、世界に誇る国産時計ブランドとして名を馳せていたのである。

クオーツアストロン(35SQ)

1969年12月25日に発売された世界初のクォーツ式腕時計「クオーツアストロン(35SQ)」。18Kイエローゴールド製の特別仕様ケースを採用し、直径36mm、厚さ11mm。価格は当時の「カローラ」よりも高い45万円だった。

グランドセイコーとクレドールを比較

グランドセイコーは、セイコーが世界と戦える最高峰の国産時計を目指し、1960年に誕生したブランドで、上品かつ普遍的なデザインを特徴としている。

一時、グランドセイコーは休眠状態となるものの、1988年にクォーツムーブメントを搭載して復活。その後2004年には、機械式とクォーツ式のハイブリッド機構であるスプリングドライブを搭載したモデルを発表。そして2017年、「グランドセイコー」はブランドとして独立を果たした。

初代 グランドセイコー

1960年に発売された初代「グランドセイコー」。80ミクロンの14K金張りケースを採用し、価格は当時の大卒初任給の2倍近い2万5000円という高額モデルだった。

クレドールも、グランドセイコーと同様、セイコーから独立したブランドだ。1974年に金、プラチナなどの貴金属を素材に用いる「特選腕時計」として登場しており、45周年となる2019年に、独立している。

セイコーが手掛ける時計の中でも、高級かつ美意識を追求したモデルを数多く展開してることが特徴だ。希少性の高いモデルも存在し、国内外で人気を集めている。

セイコー クレドール

14K、18Kゴールなどの貴金属をマテリアルとした「セイコー特選腕時計」をグループ化し、1974年に誕生した「セイコー クレドール」。世界初のクォーツ式ドレスウォッチが評価された。


グランドセイコーのおすすめモデル

グランドセイコーは3つのコレクションを展開している。それぞれのコレクションを代表するおすすめモデルをチェックしておこう。

「エレガンスコレクション」Ref.SBGR261

グランドセイコー「エレガンスコレクション」Ref.SBGR261
自動巻き(Cal.9S65)、35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ13.1mm)。日常生活用防水。60万5000円(税込み)。

初代グランドセイコーに通じる、クラシックなフォルムは継承しつつ、機械式の自動巻きタイプであるCal.9S65に搭載し直した「エレガンスコレクション」モデルだ。

趣深いアイボリー調のダイアルとブルースティールの秒針がおしゃれに組み合わさり、レザー素材のベルトと相まって上品なクラシックスタイルを醸し出している。

最大に巻き上げておけば約3日間持続し、最新のヒゲゼンマイを採用したことにより、日常における使用時の精度がより安定していることも特徴だ。

「ヘリテージコレクション」Ref.SBGR309

グランドセイコー「ヘリテージコレクション」Ref.SBGR309
自動巻き(Cal.9S68)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.1mm)。10気圧防水。58万3000円(税込み)。

直径42mmのケースを採用し、「ヘリテージコレクション」の中でも、より存在感を強めたモデルだ。大きめのサイズでありながら、ラグ先を細く絞り込んだことにより、スタイリッシュなシルエットにまとまっている。

立体的なインデックスは大型のケースと調和し、力強い雰囲気を生み出している。放射模様を施したブラックダイアルからも、重厚な表情を感じ取れるだろう。

ムーブメントには、自動巻き式の大型タイプであるCal.9S68が採用されている。パーツ製造技術と職人の加工技術が光る、便利なカレンダー機能を備えたムーブメントだ。

「スポーツコレクション」Ref.SBGH291

グランドセイコー SBGH291

グランドセイコー「スポーツコレクション」Ref.SBGH291
自動巻き(Cal.9S85)。37石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約55時間。ブライトチタンケース(直径43.8mm、厚さ14.7mm)。200m空気潜水用防水。106万7000円(税込み)。

グランドセイコーのスポーツコレクションの中でも、逆回転防止ベゼルに200m空気潜水用防水を備えるなど、高性能ダイバーズウォッチとしてラインナップされているのがRef.SBGH291だ。

直径43.8mm、厚さ14.7mmのケースは大ぶりである一方で、ケースとブレスレットの素材にブライトチタンを採用しているため、軽量であることもポイント。軽い腕時計は装着していて疲れづらく、日常使いにもおすすめだ。なお、このチタン素材にはザラツ研磨による歪みのない鏡面仕上げが施されており、力強い時分針や光沢のある逆回転防止ベゼルなどとともに、高級ダイバーズウォッチとしての風格も備えている。