ロレックスはベゼルのクォリティも重視している高級時計メーカーだ。ユニークな特徴を持つさまざまな種類のベゼルがあり、各モデルのコンセプトに合ったものが使われている。ロレックスのベゼルの種類と、定番ベゼルを搭載した人気モデルを紹介する。
ロレックスのベゼルの主な種類
ベゼルには風防を固定するという本来の役割以外に、デザイン上のアクセントを加えるという側面もある。ロレックスのベゼルにはどのような特徴があるのか、主な種類とそれぞれのポイントを見ていこう。
フルーテッドベゼル
連続した山型カットが特徴的なフルーテッドベゼルは、ロレックスを象徴するベゼルだ。1926年に初めて登場した際は、ロレックス オイスターのパーツとして採用された。
フルーテッドベゼルの独特なデザインは、ケースにしっかりとねじ込んで時計の防水性能を高めるために考え出されたものである。しかし、大きな特徴である特有の輝きを放つ魅力を残すために、ねじ込み式ではなくなった現在も独特の形状を保ち続けている。
フルーテッドベゼルの素材に使われているのは、18Kゴールドと950プラチナのみだ。「デイデイト」や「スカイドゥエラー」など、ロレックスのクラシックラインで多く使われている。
ロレックスを象徴するディテールのひとつであり、「デイデイト」の多くのモデルにも採用されているフルーテッドベゼル。山形のカッティングを等間隔で施すエッジの効いた形状が特徴で、光が当たると上品な煌めきを放つ。写真はブライトブルーのダイアルを組み合わせた「オイスター パーペチュアル デイデイト40」。自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWGケース(直径40mm)。100m防水。
スムースベゼル
スムースベゼルは、装飾がなく表面を鏡面に仕上げたベゼルだ。ポリッシュベゼルとも呼ばれている。
ロレックスにおける標準的なベゼルであり、さまざまなモデルで採用されている。素材の質感を十分に生かしたデザインを特徴に持つ。
ベゼル自体の主張を抑え、すっきりとした印象を与えられるため、スムースベゼルを使ったモデルは、スタイルやシーンを問わず着用できるだろう。
最もスタンダードな仕上げであり、丁寧な研磨による艶が楽しめるのがポリッシュベゼル。写真は「オイスター パーペチュアル 36」。自動巻き(Cal.3230)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースティールケース(直径36mm)。100m防水。
タキメーターベゼル
タキメーターとは速度を測る機構のことだ。タキメーターベゼルはクロノグラフの標準的なパーツであり、秒針とタキメーターでおおよその時速を把握できる。
ロレックスでは「コスモグラフ デイトナ」にしかクロノグラフが存在しないため、タキメーターベゼルもコスモグラフ デイトナのみに搭載されていることになる。
タキメーターベゼルの目盛りが、クロノグラフのインダイアルと相まって計器然とした表情を強め、時計全体がメカニカルな印象を与える。
ロレックスのコレクションの中で、唯一タキメーターベゼルを備えているのが、クロノグラフを搭載する「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ」。ベゼルには耐蝕性と耐傷性に優れ、紫外線の影響も受けにくいハイテクセラミックスが用いられている。自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。オイスタースティールケース(直径40mm)。100m防水。
回転ベゼル
回転ベゼルは、逆回転防止ベゼルと両方向回転ベゼルの2種類に大きく分けられる。
逆回転防止ベゼルは主にダイバーズウォッチで使われるタイプだ。水中でベゼルの目盛りが時計回りに回転してしまうと、ボンベの持続時間を正確に把握できなくなり、ダイバーの命にかかわる。そのため、ダイバーズウォッチのベゼルは反時計回りの一方向にしか回転しないようになっているのである。
一方、両方向回転式のベゼルもあり、こちらは経過時間の計測はもちろん、他国の時刻を把握する場合などに使用される。ロレックスの場合、逆回転防止ベゼルは「サブマリーナー」や「シードゥエラー」「ディープシー」に、両方向回転ベゼルは「ヨットマスター」や「GMTマスターII」に搭載されている。
GMT針と24時間目盛りを施した両方向回転ベゼルを備えることで、第3時間帯の判読も可能にしたモデルが「オイスター パーペチュアル GMTマスター II」だ。自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースティールケース(直径40mm)。100m防水。
エンジンターンドベゼル
フルーテッドベゼルの前身に当たるベゼルが、エンジンターンドベゼルである。航空機のエンジンが回転する様子をイメージしてデザインされているため、このようなネーミングになっている。
削る部分と削らない部分が交互に連続しており、山型カットが連続するフルーテッドベゼルに比べ、凹凸が抑えられている。
フルーテッドベゼルと同様、エンジンターンドベゼルもロレックス独自のベゼルだ。現行モデルでは使われておらず、2010年以前に製造された旧型モデルでしか見られない。
バーク仕上げベゼル
バーク仕上げベゼルは、ゴールド素材のモデルに用いられていたベゼルである。バークとは樹皮を意味する言葉であり、その名の通り樹皮をイメージした模様が彫り込まれている。
バーク仕上げベゼルを採用しているモデルの中には、ブレスレットの中駒にもバーク仕上げを施したものも存在した。
バーク仕上げの細かく深い筋目により、時計の雰囲気がレトロかつ落ち着いた印象になる。バーク仕上げベゼルが使われていたのは、1990年代前半に発売された「デイデイト」「デイトジャスト」のみで、現行モデルでは見られない。
定番ベゼルを備えたロレックス現行モデル
ロレックスの定番ベゼルといえば、フルーテッドベゼルとポリッシュベゼルが挙げられるだろう。それぞれのベゼルを備えたおすすめモデルを紹介する。
「オイスター パーペチュアル デイトジャスト41」Ref.126334
自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。ホワイトロレゾールケース(直径41mm)。100m防水。
「デイトジャスト 41(Ref.126334)」は、フルーテッドベゼルを搭載したモデルだ。デイトジャスト 41のフルーテッドベゼルはゴールドで製造されている。
ロレックスでは2種類の金属を組み合わせたマテリアルをロレゾールと呼んでいる。オイスタースティールとホワイトゴールドが融合したRef.126334は、ホワイトロレゾールである。
3列リンクで構成されたオイスターブレスレットには、ロレックスが独自に発明したオイスタークラスプとイージーリンクが使われており、ブレスレットの長さを約5mm延ばせる。
「オイスター パーペチュアル 41」Ref.124300
自動巻き(Cal.3230)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。オイスタースティールケース(直径41mm)。100m防水。
ポリッシュベゼル搭載モデルのおすすめは「オイスター パーペチュアル 41(Ref.124300)」だ。ケースとベゼルの素材には、高い耐久性と研磨性を誇るオイスタースティールが用いられている。
繊細な光の反射をもたらすサンレイ仕上げのダイアルは、手首の動きに応じて特徴的な輝きを生み出す。
オイスター パーペチュアルモデルのケースは、水深100mの防水性能を備えているが、これもロレックスの時計が高い技術によって製造されていることの証だ。
ロレックスをベゼルで選ぶのも面白い
ベゼルのクォリティもしっかりと追求するロレックスには、フルーテッドベゼルやポリッシュベゼルをはじめとした、さまざまな種類のベゼルが存在する。
各ベゼルの特徴や魅力を知り、ロレックスのモデルをベゼルで比較しながら選ぶのも面白いだろう。
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