2020年 ウブロ新作時計

2020.07.04

ウブロ「スピリット オブ ビッグ・バン メカ-10」

スピリット オブ ビッグ・バン メカ-10

ウブロ「スピリット オブ ビッグ・バン メカ-10
手巻き(Cal.HUB1233)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約240時間。(左)Ti(直径45mm、厚さ14.45mm)。5気圧防水。244万円(税別)。(中)18Kキングゴールド。467万円(税別)。(右)ブラックマジック。289万円(税別)。

 スピリット オブ ビッグ・バン メカ-10ビッグ・バンに搭載されるパワーリザーブ約10日間の「メカ-10」ムーブメントを、「スピリット オブ ビッグ・バン」のトノー型ケースに搭載した「スピリット オブ ビッグ・バン メカ-10」が発表された。ビッグ・バンとは異なるケース形状にムーブメントをピッタリと収めるための全体的な構造見直しに伴って、技術的なリファインと、部品配置を含めたデザイン調整が行われている。“メカ-10”ことCal.HUB1233は、9時位置と3時位置の間のラインをスライドするラック&ピニオン機構のスケールと、そのスケールと同期して動く3時位置のパワーリザーブ表示を持つことを特徴とする。ダイアルレスのコンセプトで設計された同ムーブメントは、主ゼンマイやテンプ、各歯車といった構成要素をスケルトナイズしたブリッジで支えることで、ムーブメントを両面から鑑賞できるようにしている。ラインナップには、赤みのある発色を持つ18Kキングゴールド製ケースと、ブラックマジックの名を冠したブラックセラミックス製ケース、そしてグレード5のチタン製ケースをそろえる。




ビッグ・バン GMT オールブラック ヨウジヤマモト 「ウブロブティック銀座」限定モデル

ビッグ・バン GMT オールブラック ヨウジヤマモト 「ウブロブティック銀座」限定モデル

ウブロ「ビッグ・バン GMT オールブラック ヨウジヤマモト
自動巻き(Cal.HUB1251)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブラックセラミックス(直径45mm、厚さ15.85mm)。10気圧防水。ウブロブティック銀座50本限定。250万円(税別)。

 2020年5月に「ウブロブティック銀座」が銀座・中央通りにグランドオープンした。この新ブティックオープンを記念した限定モデルが「ビッグ・バン GMT オールブラック ヨウジヤマモト」である。同作は世界的ファッションデザイナーの山本耀司氏とのコラボレーションによって生まれた。デュアル(二重性)をコンセプトに、GMT機能が指し示すふたつの都市の時間がひとつの時計内に存在していることを、山本耀司の代名詞でもある「黒」を使うことによって、複雑ながらシンプルな美として表現している。搭載する自社製ムーブメントのウニコ HUB1251は、2時位置と4時位置のプッシュボタンを押すことで時針を単独で修正することが可能。矢印型の副時針およびデイ&ナイト表示はリュウズを使用してセットする。デュアルのコンセプトにちなみ、6時位置にプリントされたヨウジヤマモトのロゴが二重になっている点も見逃せない。06年に発表した「インビジブル・ビジリティ(見えない可視性)」コンセプトを引き継ぐ本作は、マイクロブラスト加工のブラックセラミックス製ケース、ブラックの針、ブラックのラバーストラップ、スモーク加工のサファイアクリスタル風防を使用したオールブラック仕様となる。なお、ウブロブティック銀座での50本限定販売となる。




ビッグ・バン MP-11 SAXEM

ビッグ・バン MP-11 SAXEM

ウブロ「ビッグ・バン MP-11 SAXEM
手巻き(Cal.HUB9011)。39石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約14日間。グリーンSAXEM(直径45mm、厚さ14.4mm)。3気圧防水。世界限定20本。1337万円(税別)。

 ウブロはこれまでウォッチケースとして使われたことのないハイテク素材を用いることで、同社がコンセプトとして掲げる“Art of Fusion”を「ビッグ・バン MP-11 SAXEM」で体現した。ウブロの研究開発の賜物であるグリーンのSAXEMは、サファイアの主要成分である酸化アルミニウムに、ツリウムやホルミウムなどのレアアースと呼ばれる希土類元素、およびクロムとミックスすることで、機械加工するには柔らかいエメラルドよりも硬く、サファイアよりも輝きを持つ素材である。SAXEMはさらに、物質内に張力が働かないことから成形性がより安定し、立方体の結晶構造によってどの角度からケースを見ても色味が均一かつ安定した強度が得られる特徴を持つ。グリーンのSAXEM製ケース全体にはポリッシュ仕上げが施され、ベゼルの6本のブラックチタニウム製H型ビス、チタニウムにラバーのインサートを組み合わせたブラックのリュウズがコントラストを成している。搭載する手巻きムーブメントCal.HUB9011は、7つのバレルによる約14日間のパワーリザーブ(約336時間)を持ち、バレル同士を水平軸に置いた多重円筒式構造と、時分表示をコントロールする垂直ギアの動力伝達を両立するために、時計では珍しい90度のウォームギアを採用する。テンプやギアはスケルトナイズされたブリッジで支えられる構造を持ち、バレルを含む各要素は、文字盤側およびトランスパレントバックから鑑賞可能である。主ゼンマイの巻き上げは、らせん状のギアをモチーフにしたウォームスクリューによって手巻きするか、カーレースのピット作業にインスパイアされた電動で回転するヘクスローブ針(トルクス・スタイラス)によって行う。