6月中旬に私用でイタリアに行った編集部の細田が、パネライの本店にお邪魔してきた話。現行品の品ぞろえも圧巻だったが、見所はなんといっても2階に設けられたミニミュージアムだ。
[2024年8月28日公開記事]
フィレンツェ行ったらパネライ行かなきゃ
私用で2週間ほど休みをもらい、イタリアとスペインに行ってきた。スペインに上陸したのは今回が人生初だったが、イタリアは個人的に大好きな国で、何度かすでに行ったことがあった。
なんなら人生で何台かイタリア車を乗り継いできた細田は、過去の旅で十分に“イタリアらしさ”を十分に堪能している。北の方で自動車博物館巡りをし、中部で芸術を堪能し、南でお気楽なラテンのノリからは想像もできないような怖い目にも遭い、ちゃんとローマのテルミニ駅前ではロマからスリにもあっているのだ。
しかし、イタリアの美味しいところも悪いところも経験しておきながら、時計雑誌の編集者としてイタリアでやるべきことをひとつだけ成し遂げられていなかった。それがフィレンツェはドウォーモ広場にある、パネライの本店に行くというものだ。
最後にフィレンツェに行った時は丁度クロノスで働く直前。海外で高級時計ブランドのブティックに行くなんてことは、当時の自分としてはハードルが高すぎて到底できず、お店の前で写真を撮るだけが精一杯だったのだ。
しかし、今や自分は時計を生業にした人間だ。フィレンツェに行くからには、パネライの本店に寄らないという選択肢は取れないだろう。いまだにプライベートで高級時計のブティックに入るのは気が引けるが、勇気を振り絞ってリベンジをしてきた。
圧巻の品ぞろえとヒストリカルピースが集まるミニミュージアム
というわけで、フィレンツェのパネライ本店へ突撃。2階にあるというミニミュージアムを見学すべく、事前に日本のディストリビューター経由で予約を入れていたため、語学力に難がある細田でも問題なく入ることができた。
ブティックの担当者と挨拶ののち、軽く談笑。その後、展示モデルを見せてもらう。さすが本店だけあり、品ぞろえは圧巻のひと言である。「ラジオミール」や「ルミノール」「サブマーシブル」といったコレクションのレギュラーモデルは一通り置いてある印象だ。驚くべきはその他の変わり種で、懐中時計はもちろん、クロックまでが在庫として置いてあった。
その充実したストックに感激したのち、いよいよ今回のお楽しみであるミュージアムコーナーに移動する。階段を登った先にはジュゼッペ・パネライの執務室が再現されており、彼の蝋人形がお迎えしてくれる。
このミュージアムはパネライにとって重要なヒストリカルピースがいくつか展示されていた。個人的に興味深かったのは、オリジナルの「エジツィアーノ」、そしてプレヴァンドーム時代の「ルミノール ベース」PAM0009-pre A。なかなか見ることのできない、歴史的傑作だ。
決して広いスペースが設けられているわけではなく、展示本数も数本とコンパクトなミュージアム。しかしパネライというブランドを振り返るうえで重要なレアピースが展示され、また、ジュゼッペ・パネライがどのような環境で仕事をしていたかを知ることのできる空間に無料で入れるというのは、ファンにとってこれ以上ないことだろう。
予約に際して尽力をしてくれたリシュモン ジャパンの担当者さん、および現地のブティックスタッフに感謝いたします。おかげで貴重な経験をすることができました。
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