40歳を目前に、「特別な腕時計」を探すべく、時計沼の奥地へと向かった

2024.10.19

ずっと、漠然と「40歳になったら、何か特別な腕時計を買おう」と思ってきた。これまで購入してきたタイプとはちょっと違うような、40歳を迎えてから所有したくなるような、そんな腕時計を。この「40歳」まであと2年となった今、真剣にどんな腕時計を購入しようか、考えている。

「特別な腕時計」は必ずしも「一生使える腕時計」ではないかもしれない。そんな中で、一生一緒にいようと決めているのが、この初代グランドセイコー。ちなみに先日、出張で諏訪の方に行く機会があったので、里帰りと称して連れて行った。
鶴岡智恵子(クロノス日本版):文
Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2024年10月18日公開記事]


「特別な腕時計」を、40歳になったら買う!

 10月26日で38歳を迎える、わたくし鶴岡智恵子(会社では28歳って言い張ってるんですけど、誰も信じてくれません……怒)。結構前から「40歳の誕生日に、一生に1本しか買わないような、そんな特別な腕時計を買おう」と考えていた。もっとも、これまでは40歳という年代は遠い未来のことのように思えて、この考えはどこか漠然としていた。しかし40歳まであと2年となった最近、一気にこの年齢が真剣みを帯びてきた。そこで、いよいよ「何か特別な腕時計を……」と思ってきたので、どんな腕時計にしようか、その考えをブログにしたためていく。


自分にとって“特別な”腕時計とは?

「特別な腕時計」となったら、やっぱり超絶コンプリケーション? いやいや、40歳になったからって収入が爆発的に増えるわけでもなし、優雅なマダムになるからコンプリケーション着けてても壊さないわよ、的な立ち居振る舞いもできなさそうだし……憧れではあるんですけどね。

 そもそも40歳になったら腕時計を購入しようと思ったきっかけは、40歳という年齢がひとつの節目になると考えたから。「二度目の成人式」だし、人生80年だとしたら折り返し地点でもある。時計業界に入ってまだ7年(ちなみに11月30日で丸々7年)であるものの、この年月の間に時計沼にとらわれてしまった身としては、やはりこの節目の年は、時計を記念に購入したいものだ。

 特別な時計は、何も超高額であったり、稀少性の高いモデルであったりするものは想定していない。改めて自分自身の心と時計沼を探って、向き合ってみて、こんな時計を買いたいなという条件が3つ、浮かび上がってきた。

キラキラしてる……ダイヤモンド付きが良い

 人間的にはまったくキラキラしていないけど、実はキラキラした物が好き。腕時計にもその趣味は出ていて、例えば「グランドセイコースタイル」やキングセイコーに見られる、ダイヤカットが施されて、光源によってキラッと光るインデックスとか、ポリッシュ仕上げ多めのケース・ブレスレットとか、ツヤッツヤなオメガのセラミックス製文字盤とか、大好物だ。

 40歳で購入する腕時計も、やはりキラキラ要素が入っていると良い。かつ、今まで購入したことのないタイプのモデルとなると、ダイヤモンド付きの1本かなぁという考えに至った。

 最近はラボグロウンダイヤモンドもあるし、カラーダイヤモンドもあるし、選択肢が豊富になっているのはうれしい。なお、ダイヤモンドがセッティングされている箇所に、特に強い希望はない。ふっと文字盤に目をやった時に、キラキラが感じられれば良いのだ。

シンプルでベーシックな機能が良い

 現在、私は腕時計を12本所有している。そのうち、9本が3針または2針の機能のみのモデルである。ちなみに残りの3本はデジタルウォッチだ。

 クロノグラフを所有していたこともあったが、手放してしまった。特に意識はしてこなかったが、どうやら私はシンプルでベーシックな機能の腕時計が好きなようである(もちろんクロノグラフとかGMTとかトリプルカレンダーとか、多機能モデルは好きですけど。あ、ムーンフェイズはいつか欲しいなぁ)。

 シンプルな機能であれば、月並みな言い方だが、シーンやファッションを選ばず着用しやすい。私はネイルが派手なので、このネイルのすぐそばの腕時計がダイヤモンドが付いていて、さらに表示機能までたくさんあると、少しうるさくなってしまうことも懸念している。「これまで購入してきたタイプとはちょっと違う」という趣旨からは外れるものの、機能面はこれまで通りシンプルでいきたい。

手巻きモデルが良い

 この条件を入れると、途端に選択肢が狭まる。

 私は腕時計を選ぶ時はルックス重視で、どんなムーブメントかはあまり気にしない。しかし、なんだかんだ手巻き式の時計が好き。リュウズを使って主ゼンマイを巻き上げる、チチチチ……という感触は、「私今、時計を触っている!」という気分にさせてくれるものだ。

 しかし、悲しいかな、手巻き時計のニッチさよ。手巻き時計を探すというだけでも、なかなか大変かもしれない。カジュアルな価格帯にはいっそう少ないというのも悩みどころだ。

 余談だが、『クロノス日本版』編集部で、先日「手巻き時計を集めて、その巻き味を比較する動画とか面白そうじゃない?」という話が出た。やるのは面白そうだけど、動画で「感触」を伝えるのは難しいかもしれない。


3つの条件を満たしたモデルとは?

「ダイヤモンド付き」「シンプルでベーシックな機能」「駆動方式は手巻き」。この3つの条件を満たしたモデルを、2本選定してみた。

 我ながら、センス良いんじゃないかしら? これらの腕時計と一緒なら、素敵な40歳を迎えられるに違いない。

オメガ「デ・ヴィル トレゾア」Ref.435.18.40.21.03.001

オメガ「デ・ヴィル トレゾア」Ref.435.18.40.21.03.001
手巻き(Cal.8910)。29石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.82mm)。30m防水。199万1000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087

ジャガー・ルクルト レベルソ・ワン デュエット

ジャガー・ルクルト「レベルソ・ワン デュエット」Ref.Q334848J
手巻き(Cal. 844)。17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(縦40.1×横20mm、厚さ10.82mm)。30m防水。212万9600円(税込み)。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833


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