2024年の2月に、長野県下諏訪町の時計工房 儀象堂で腕時計を組み立てた思い出を、徒然なるままに、そしてのびのびとつづります。針の取り付けが、大変だったんだよ!
組み立てた時計。なお、現在は文字盤の色はブルーに変更されているとのこと。
大橋洋介(クロノス日本版):文 Text by Ohashi Yousuke (Chronos-Japan)
[2024年10月19日公開記事]
[2024年10月19日公開記事]
さあ出かけよう! 下諏訪へ
訪れたのは2024年の2月なのだから、だいぶ前になる。長野県は下諏訪町にある時計工房 儀象堂で機械式腕時計を組み立てた。
地板に歯車をピンセットで置き、さらに歯車を置き……という作業を繰り返して、ムーブメントの組み立てを完成させる。ただし、テンプの組み立てや油さしなど、素人には難しい作業は事前に準備されている。そのため、細かい作業に自信がある人ならば、十分に完成までこぎつけることできるだろう。
各種模型の組み立てで鍛えられた、細かい作業なら何でもござれな人間である。ムーブメントの組み立ては難なくできた。本当である。しかしながら、真の難関は針の取り付けであった。これが実に、うまくはまらないのだ。本当に、もう。針の取り付けなんて、おまけのようなものだろう、と油断しきっていたが、その認識は甘すぎたのである。
なんとか「野生の勘を働か」せて、針をはめこむことができた。模型の組み立てなどの細かい作業を体が、より具体的には指先が覚えていたから、上手くことが運んだのだろうか。
プラモデルのバリを取るために、ひたすら紙やすりをかけ、豆ラッカーで手をカラフルに塗りたくってしまっていた、少年期の努力は決して無駄ではなかったのだ!
下諏訪の町中。宿場町の風情のある街並みです。雪がしんしんと降っていました。
最終的にはムーブメントをケースに収め、そんなこんなで腕時計は完成した。腕時計、特にムーブメントの仕組みを身をもって体験したい人は、ぜひ訪れてみるとよいと思う。なお、下諏訪町はかつて宿場町だった風情のある街並みだ。行った時は雪が降っていて、きれいだったな。