シンガポールで初開催された時計イベント、「I AM WATCH」を取材してきた。時計の取材は基本的に『クロノス日本版』116号を初出しとしなければならないため、先出しても差し障りのない話をまとめました。

Text by Yuto Hosoda(Chronos-Japan)
[2024年11月06日公開記事]
I AM WATCH 取材の幕間
アワーグラスが主催する独立系時計ブランドの祭典、「I AM WATCH」の取材でシンガポールまで行ってきた。基本的に取材で得た情報、撮った写真は12月6日発売の『クロノス日本版』116号に掲載するため、ここに掲載できる情報は多くないのだが、「せっかくなのでブログを書いてください!」と某同僚からの圧力が強いため、イベントの本筋と関係ない部分を少しだけご紹介していく。
※本当にしょうもない内容ばかりなので要注意。しっかりとイベントの情報、発表されていた時計の情報が欲しい人は次号のクロノスを購入してください。
シンガポールメシで一番好きなのはオイスターエッグ!
シンガポールの食事で人気なメニューといえば海南鶏飯(チキンライス)とチリクラブ。確かにうまい。去年一緒にシンガポール取材をした時、鶴岡に至っては滞在中ずっと海南鶏飯を食べていたくらいだ。
しかし、これら以上に細田の胃袋を掴んで離さなかったシンガポールメシがある。それがオイスターエッグだ。チャイナタウンの最寄駅であるマックスウェル直結の「マックスウェル フードセンター」に出店する「濱海南美食」で食べられるオイスターエッグはまさに絶品。取材期間唯一捻出できた1時間半の自由時間を使い、タクシーを使ってまで食べに行ってしまった。

実を言うとここのオイスターエッグも“現地のうまいグルメ”として有名な一品のため、ご存じの方も多いかもしれない。シンガポールにこれから行く予定があって、まだ食べたことがない方は是非。
時計師たちの意外な姿が見られたイベント期間中
大御所から新進気鋭まで、本当に多くの時計師が集まったI AM WATCH。そんな彼らが会期中に見せた意外な姿をご紹介しよう。
まずはアラン・シルべスタインから、討論会中のワンシーンだ。熱弁を振うフランク・ヴィラの横でウトウトしてしまったところをパシャリ。我々にとって時差−1時間の過ごしやすいシンガポールも、彼にとっては時差−6時間もある極東。前日会場入りした御年74歳のシルべスタインにはちょっとしんどかったかのかもしれない。

対照的だったのが、前述のフランク・ヴィラだ。連日イベント会場を回りながら会う人会う人と談笑し、夜にはバーで大盛り上がりと非常にアグレシッブだった。
写真はイベント終了前夜に行われたパーティーでノリノリに踊る様子。50代のヴィラはイベント終盤までビールを片手にハッスル! 力強さに溢れていた。

最後はちょっとだけ時計の話も
冒頭でも書いた通り、肝心の時計の話は誌面で。でも、流石にそれだけだとブログとしても寂しいため、最後に個人的に面白いと思ったクロックについて記載する。その名もメゾン・アルシーだ。
メゾン・アルシーはハイエンドなキットクロックを販売するフランスのクロックメーカーである。2023年のGPHGではブランド初作の「ペルセー」で「Audacity Prize(勇猛果敢賞)」を受賞した、知る人ぞ知る存在だ。

ペルセーは233個のパーツだけではなく、キットを組み上げるのに必要なツールもセットになっており、特別なスキルを持っていなくても、本格的な機械式時計が自分で製作できるようになっているとのこと。確かにテンプはすでにヒゲゼンマイがセットされている状態でパッケージされており、本格的な知識・技能が必要なくても大丈夫というブランドの弁も納得だ。
なおブランド名のメゾン・アルシーは、ブランド創設者のアルシー・モンフォールから取ったもの。“アルシーの家”を象徴するように、ブランドはアルシーと彼女の夫のほか、数名という少人数で回している。