時計女子(39)がクリスマスプレゼントとして彼氏に貢g……贈りたい腕時計とは?

2025.12.01

時計専門メディア「webChronos」編集者であり、時計を趣味にする女子(39歳)が彼氏にクリスマスプレゼントとして贈るならこれだなという腕時計を、その理由とともに紹介する。あ、彼氏はいません。すべて妄想ですが、ブログなのでご容赦を(時計は真面目に選びました)。

ロンジン マスターコレクション

鶴岡智恵子(クロノス日本版):写真・文
Photographs & Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2025年12月1日公開記事]


もうすぐ楽しいクリスマスだよ(棒読み)

 ハロウィンが終わったあたりから、街に流れ出す定番ソングやら、飾られるツリーやら、販売されるオーナメントをモチーフにしたもろもろやら……そう、楽しいクリスマスの季節が到来した。多くの会社でボーナス支給月でもある12月は、時計業界にとっては年間を通して最大の繁忙期だ。

 そんなわけでこの月は忙しく、私には凝ったクリスマスの準備をしたり、当日にゆっくり過ごしたりといった経験は、あまり多くない。しかし“クリスマスプレゼント”という響きは、まだサンタさんを信じていた子供の頃、ワクワクしながら眠りについた記憶を呼び起こす。長じてからは、友人とクリスマスプレゼントを交換しあった思い出も相まって、実は「クリスマスプレゼント、今の自分だったら何をもらいたいかな?」あるいは「何を贈ろうかな?」などと空想にふける時間が、結構楽しいのだ。そのプレゼントの対象が、趣味でもある腕時計なら、なおさらだ。

 そこでクリスマスを前に、「私が彼氏にプレゼントしたい腕時計」を考えてみた。「自分がもらいたい」ではないのは、そんなに高価なものを“貢いだ”記憶はないものの、尽くしたがり女子(しつこいけど39歳)であるがゆえ(参考:https://www.webchronos.net/blog/139953/)。なお、適当に選んだのではなく、結構真面目に考えた。選定理由とともに紹介するので、これから恋人、あるいは配偶者に腕時計を贈ろうと思っている読者の参考になったらうれしいと思う。

「せっかくならこのブログに、クリスマスっぽい写真でも載せるか……」と思い立ち、iPhoneの写真フォルダを漁った結果、2016年に丸の内で撮影したツリーとイルミネーションが見つかった。つまり10年近くにわたって、私はクリスマス関連のものを撮っていなかったということか……


選定にあたって条件としたこと

 今回「彼氏にクリスマスプレゼントとして贈る腕時計」を選定するにあたって、ふたつの条件を設けた。

・比較的どこでも購入できる現行モデルであること
・自分自身とシェアウォッチとして使えること

 まず、過度に稀少ではない現行モデルであること。妄想の世界なので、例えば超絶コンプリケーションやユニークピースを挙げても面白いかなとは当初考えた。しかし現実味があった方が良いし(クリスマスまでに彼氏ができる可能性も微粒子レベルで存在しますよね?)、ブログとはいえ、参考にしてくれる読者がいるのであれば、買いやすいに越したことはない。

 また、“ペア”ではなく、“シェア”できること。別れた時に何らかの理由で手元に戻ってくる可能性もあるわけで、そんな時に「The 男の時計」だと、いくらメンズモデルを普段から身に着ける私でも持て余してしまう。加えてサイズや意匠においてジェンダーレス化が進む、最近の時計のトレンドも鑑みて、この条件を入れた。ちなみに「彼氏も自分自身も着けられる」腕時計において大切なのは、ケースの全長(手首幅から大きくはみ出さない)、ケースの手首への設置面積(浮いていない)、あたりだろうか。自分自身が好きな意匠というのも大切だろう。まぁ円満な間にも、あわよくば着けたいという時計好きの欲が見え隠れしてますが。


選んだ3本はこれ!

「彼氏にクリスマスプレゼントとして贈りたい腕時計」に、以下の3本を選んだ。

キングセイコー「KSK」Ref.SDKS027

キングセイコー KSK キャリバー6R51

キングセイコー「KSK」Ref.SDKS027
自動巻き(Cal.6R51)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径36.1mm、厚さ11.6mm)。10気圧防水。24万2000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室Tel.0120-061-012

 キングセイコーは、日本のセイコーウオッチによって1961年に生み出された腕時計だ。一時的に生産が休止された後、誕生60周年にあたる2021年にその名が復活。アーカイブからインスパイアされつつも、現在の同社の技術やデザイン性が生かされており、幅広いユーザー──初めて高級腕時計を購入する層から、オールドセイコーファンまで──にお勧めできる腕時計となっている。

 ピックアップしたのは、2024年に登場した小ぶりな「KSK」。KSKは1965年、キングセイコーの第2世代として登場したモデルに範を取るコレクションで、それまでは直径38.6mmのみのラインナップだったが、新たに直径36.1mmサイズがバリエーションとして加えられた。

 小ぶりで厚みも少ないながらも、10気圧防水、パワーリザーブ約72時間と性能面でも優れているのがさすがセイコー。文字盤のカラーバリエーションが豊富なのもうれしい。

 ブレスレットを手首回りに合わせてサイズ調整するにはお店に持ち込まなくてはならないため、日常的にシェアするのには少し大変かもしれないが、調整自体は店頭ですぐに対応してもらえる場合が多いので、上手に使い分けたい。

ロンジン「ロンジン マスター コレクション」Ref.L2.843.4.93.2

ロンジン マスターコレクション

ロンジン「ロンジン マスターコレクション」L2.843.4.93.2
自動巻き(Cal.L893)。26石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径38.5mm、厚さ10.2mm)。3気圧防水。37万8400円(税込み)。(問)ロンジン Tel.03-6254-7350

 次に紹介するのは、1832年に創業したスイスの時計ブランド・ロンジンが、誕生190周年記念に打ち出した「ロンジン マスター コレクション」のデザインを踏襲したうえで、翌年リリースした1本だ。日付表示の小窓を持たないスモールセコンド付きの3針モデルはミニマルで、また、手彫りを思わせるインデックスや筆記体のブランドロゴが相まって、とてもクラシカルにまとめられている。この完成度の高いドレスウォッチがリリースされた時には、辛口気味のうちの編集部のメンバーも絶賛していたことを覚えている。

 売れ行きが好調であるためか、バリエーションも多彩に展開されており、昨年は直径34mmモデルも追加された。34mmだといっそうクラシカルになって個人的には萌えるのだが、男性にとってはベーシックなサイズであろう38mm径をチョイス。サーモンピンクの文字盤はミニマルな中にも存在感があり、袖口からのぞけば、洒脱さを演出できるだろう。

 なお、ブラックのストラップだと、女性にとってはやや渋すぎるかもしれない。メーカーで別売りのストラップを購入したり、ストラップ専門店でオーダーしたりと、自分好みの色やデザインに変更するのもお勧めだ。

ブライトリング「エンデュランス プロ 38」Ref.X83310F61B1S1

ブライトリング エンデュランス プロ

ブライトリング「エンデュランス プロ 38」Ref.X83310F61B1S1
スーパークォーツ™(Cal.83)。ブライトライト®ケース(直径38mm、厚さ12.1mm)。100m防水。46万2000円(税込み)。(問)ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707

「男の腕時計」といった印象の強かったブライトリングだが、近年ではレディースやボーイズモデルにも注力しており、その裾野を広げている。

「エンデュランス プロ38」も、そんな同ブランドの近年の傾向が生んだ名作だ。「エンデュランス プロ」は2020年にリリースされた、ブライトリングの中では比較的新しいコレクション。直径44mmという大ぶりなケースに多機能さを思わせつつも、判読性に優れた文字盤が、まさにツールウォッチである。大型ながら、軽量なブライトライト®をケース素材としているため、驚くほど軽快に着用することができる。

 そういうわけでエンデュランス プロに引かれていたものの、やはり直径44mmケースは女性の自分にとっては大きいと感じていた。そのため2024年、自分にとっては待望の小ぶりのサイズ(しかも38mm径と、かなり小型に)がリリースされた時は小躍りしたものだ。ブライトリングのメディア向け内覧会で初めて実機を触って手首に載せてみた時の、ぴったりと“はまる”感覚を、まだ覚えている。

ブライトリング エンデュランスプロ38

2024年に開催された展示会で撮影した「エンデュランス プロ 38」。今回紹介したパープルのほか、オレンジやピンク、スカイブルーなどのカラーバリエーションがあり、見ていて楽しかった。

 彼氏に喜んでもらいたいし、自分自身も楽しみたいとなれば、本作を挙げるほかない(というか、本作のためにこの記事を書いたまである)。軽量であるのみならず、COSC認定の温度補正機能付きスーパークォーツ™ムーブメントを搭載しているため、精度は折り紙付きだ。これまで紹介してきたキングセイコー、ロンジン マスターコレクションと同様に、カラーバリエーションが豊富なため、購入時は彼氏と一緒に選びに行っても楽しいだろう。


「キングセイコー」ってどんな腕時計なの? その歴史や現行モデルの特徴を解説!

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一度着けたら首ったけ!「ロンジン マスターコレクション」のサーモンピンク文字盤は〝肴〟になる傑作時計だ

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ブライトリング「エンデュランス プロ」に新作38mmモデルが加わり、コレクション全体がアップデート!

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