ゼニスが新型脱進機、LVMH脱進機とやらをリリースした。スイスでお披露目があったようだが、呼ばれた人たちが、理解できたとは思えない。なにしろ「この脱進機はクオーツと何が違うんですか」と聞くような人まで呼んだのだから、そうなるのは当然だろう。かくいう筆者も、動画を何度も見たがわからなかった。
28日に、ジャン-クロード・ビバーさんと、技術者のトーマス・メルシエさんがお披露目のために来日したので、いろいろ話を聞いた。結局、あれは振り子時計を腕時計に仕立て直したもの、と理解した。振り角は6度。対して脱進機の拘束角は非常に大きい。ヒゲゼンマイの自由振動が効かないから等時性は出ないと思っていたが、どうも脱進機に対する考え方がまるっきり違っていたようだ。鍵となったのは、再起動性と耐衝撃性。振り子時計もショックに弱いし、一度止まったら再起動しないものね。でもこの問題はクリアしたらしい。詳細は、12月1日発売のクロノスNo.74で書く予定。執筆者は、ルモントワール特集を手掛けた、菊池裕介さん。あんまり濃くならないようにします。。。
youtube.com/watch?v=RUs1gUUnBws
(広田雅将)