「Halls 1.0」において、メインブースと別にサテライト会場を設けていたのがグッチ。南国の楽園を感じさせるような、深いグリーン調の空間で展示されていたのは新作のグリップでした。
ぱっと目を引くケースデザインのグリップですが、もうひとつの魅力は、付替え用ストラップの多彩なバリエーション。ショーケースの中で、熱帯植物の花々のような色鮮やかさです。
カーフ、アリゲーター、テジュ・リザードのレザー3種を用いて、35mmサイズで9色、38mmサイズで8色のカラーが用意されています(日本でどれだけ展開するかはまだ未定だそう)。
© GUCCI
70年代ヴィンテージ風のグリップ。
隣にいた編集長の広田は、時計を手に取るや「このレザーの絞り方は、ちゃんと当時を意識していて偉いなぁ……!」と嬉しそう。(初バーゼルワールド取材の私にとって、こうした先輩のボヤきは非常に勉強になるものです)。
© GUCCI
取材中には、バーゼル前に発表された直径38mmの「G-タイムレス オートマティック」のマザー・オブ・パールダイアルモデルも見せてもらいました。
ダイアルに描かれた、猫のモチーフが可愛い~……の向こうに仕込まれた、半透明のマザー・オブ・パールダイアルのサプライズ。ETA 2895の自動巻きキャリバーが透けて見えています。この技術は、少なくとも私は他で見たことがありません。
ファッション性を重視しつつも、ヴィンテージの再現力や、他に見ない素材の加工力をサラリと見せてくるあたり。イタリアにルーツを持つCEO・ピエロ・ブラーガと、デザイナー・アレッサンドロ・ミケーレ率いるグッチは、かなりクールなブランドのようです。
© GUCCI
文:高井智世