レディスウォッチはますます面白くなる!/バーゼルワールド日誌 8

2019.04.01
 バーゼルワールドを取材で回るなかで、これからますますレディスウォッチは面白くなる! と予感させる時計がいくつかありました。ここで紹介する他にもまだあるのですが、まずはバーゼルワールドで実機を見ることができた8モデルをピックアップしてご紹介させてください。

パテック フィリップ「ノーチラス 7118/1」

 18Kローズゴールドの女性向け「ノーチラス」に、ダイヤモンドの装飾の無いプレーンベゼルモデルが登場しました。特筆したいのは、ブレスレットの新しい仕様について。このブレスレットには長さ調節機能の付いた折り畳み式バックルが備わっており、左右両方で2mmずつ、合計4mmを腕時計を着用したまま調整することができます。1976年から続くノーチラスが、女性の細やかな声も取り込みつつ発展し続けていることが嬉しい。自動巻きキャリバー324 S Cを搭載、サファイアクリスタルバック仕様。



シャネル「ボーイフレンド ツイード アート」

 シャネルのアイコンであるツイード生地の模様を、グラン・フー・エナメルで描いたダイアルが特徴。このダイアルは、世界的な女性エナメル職人の手によるもので、ケースには彼女のサインも入ります。縦37×横28.6mmの小さなケースサイズに、これだけ色鮮やかで精緻な模様を焼き付けるには、かなり高度な技術が必要(と、エナメルダイアルに見識ある鈴木裕之が教えてくれました)。赤、青、ピンクの3色展開で、手巻きキャリバーを搭載。



ロレックス「オイスター パーペチュアル デイトジャスト 36」




 ロレックスは、香箱の構造と、エスケープメントの効率を向上させた新世代ムーブメントの自動巻きキャリバー3255を女性用の「デイトジャスト 36」にも搭載。これに伴い、パワーリザーブは約70時間まで延長しました。画像は、ベゼルとインデックスにダイアモンドが輝く、天然ピンクオパールダイアルモデル。



ウブロ「クラシック・フュージョン チタニウム ディープブルー ダイヤモンド」


 年々、ブランド全体の生産本数が増え続けるなかで、その2割をレディスモデルがキープし続けているウブロ。特に近年のウブロの大きな伸び方をふまえると、「たかが2割、されど2割」と語ったPRの方の表情に、期待が持てそうな予兆を捉えました。画像は日本限定モデルの「クラシック・フュージョン」。ケースはチタン製で直径は33mm、クォーツムーブメントを搭載。



H.モーザー「エンデバー・センターセコンド ダイヤモンド ピュリティ」




「100% スイスメイド」を謳うH.モーザーも、コレクションの中で最も小ぶりな直径38mmモデルを発表しました。フュメダイアルの繊細な輝きこそ、心奪われる女性が多いのでは! このダイアルの美しさは、画像だけではもったいない。ぜひ実機を見てください。自動巻きキャリバーHMC 200を搭載、サファイアクリスタルバック仕様。



ブライトリング「ギャラテクティック 29 スリークT ブラック マザーオブパール」


 直径38mmのケースサイズの「モンブリラン」に、一定の女性愛好家からの支持を得ていたブライトリング。そこに着目し、改めて近年女性向けに絞り込んで発表したのが、29mmのブランド最小サイズ「ギャラクティック」でした。日本限定モデルとして2017年に発売した桜色マザー・オブ・パールダイアルモデルに続き、今年はブラックマザー・オブ・パールダイアルモデルを投入しています。クォーツムーブメント搭載。



ブルガリ

「ディーヴァ ドリーム フィニッシマ ミニッツ リピーター」


 最後に、ブルガリから自動巻き腕時計をふたつ。先日のブログでも同じ時計を紹介しましたが、やはりレディスウォッチについて触れるにあたり外したくなかった「ディーヴァ ドリーム フィニッシマ ミニッツ リピーター」。ケースバックの画像も追加します。37mmのケースサイズに2つのハンマーを備えるミニッツリピーターです。

「ディーヴァ ドリーム ピーコック」

 
 ブルガリ「ディーヴァ ドリーム」から同じケースサイズをもう1本。本物のクジャクの羽をダイアルに用いた「ディーヴァ ドリーム ピーコック」です。幅広い技術力も、高い審美性も、惜しみなくレディスウォッチに載せてくる老舗の粋を感じたのでした。




「コラッ、男性読者のためのクロノス日本版で、レディスウォッチばかり書くでない!」と方々からお叱りを受けそうですが(特に編集長からのコメントが怖い)、レディスウォッチの進化を初バーゼルワールド取材で目の当たりにした気持ちを、少しでもお伝えできましたら嬉しいです。

文:高井智世