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IWC アイダブリューシー

1868年、時計職人のフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズによりスイスのシャフハウゼンにて創業される。社名が英語表記のインターナショナル・ウォッチ・カンパニーであるのは、フロレンタインがアメリカ出身であったことに由来する。彼は、アメリカの先端技術と当時まだ賃金が安かったスイスの労働力を結び付け、アメリカ市場向けの高品質なムーブメントと時計部品を製造しようと考えたのだ。スイス時計産業の中心地から離れたドイツ語圏のシャフハウゼンを選んだ理由は、16世紀に時計職人ギルト(同業者組合)が設立されて以降、時計作りの伝統が根付き、加えて19世紀に始まったライン川の水力発電によって安定供給される電力を活用した製造技術の導入が可能であったからとされる。1874年から75年にかけてライン川ほとりに隣接するバウムガルテン通りに工場を新設し、現在も本社社屋とする。創業後は懐中時計製造で成功を収めつつ、腕時計製造は1915年の腕時計用ムーブメント開発を機に本格化する。1930年代にはパイロット用に初めて「Mark Ⅸ(マーク・ナイン)」を製作。1940年代に入ると、懐中時計用のムーブメント、キャリバー52S.C.を使用したビッグ・パイロット・ウォッチ、続いてパイロット・ウォッチ「Mark Ⅹ(マーク・テン)」、さらに1949年に、当時の技術責任者アルバート・ペラトン開発のキャリバー89を搭載し、耐磁性を確保する軟鉄製のインナーケースを採用した「Mark Ⅺ(マーク・イレブン)」を発表。現在に続く、パイロット・ウォッチの礎を築く。ポルトガル商人の要望に応えて1939年に製造された「ポルトギーゼ」は、高精度な懐中時計用のムーブメントを搭載する。6時位置にスモールセコンドを配し、リーフ型の時分針を備えるモデルで、そのデザインは現在のコレクションと共通点が多い。1985年、IWCのマスターウォッチメーカーのクルト・クラウスは、天才的な発想によって永久カレンダーを搭載した機械式クロノグラフ「ダ・ヴィンチ」を開発。500年先までのカレンダーが機械的にプログラムされ、かつ西暦を4桁の数字で表示する世界初の腕時計となった。これ以外にも1868年の創業以来、その歴史の中で生み出された名機を受け継ぎ、現在、「パイロット・ウォッチ」「ポルトギーゼ」「ダ・ヴィンチ」「ポートフィノ」「インヂュニア」「アクアタイマー」という6つのレギュラーコレクションを展開する。

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