ゼンマイを主動力とする自動装置のこと。オルゴールと組み合わせた自動人形を指す場合も多い。18世紀に原型が完成し、19世紀に大流行した。クリスチャン・ホイヘンスやレオナルド・ダ・ヴィンチも製作したと言われるが、現存はしていない。オートマトンの祖として知られるのは、フランスのジャック・ド・ヴォーカンソン(1709〜82年)とスイスのピエール-ジャケ・ドロー(1721〜90年)。前者は38年に「アヒル」を、後者は73年から18世紀終わりにかけ、「音楽家」「書記」「画家」などを製作した。現在の第一人者はサント・クロワ在住のフランソワ・ジュノー(1959年〜)。レストレーションを行うほか、オリジナルの作品を数多く発表している。