真太腸時と平均太陽時の差のこと。またはそれを表示する機構のこと。地球の回転が楕円軌道であり、回転軸が公転面に対して23.4度傾いているため、太陽が表示する時間と、理論的な太陽時である平均太陽時には差が生じる。5世紀には知られていたといわれるが、間題となったのは17世紀終わりである。この時代、時計が正確になり、日時計との差が生じてきた。しかも時計を正確に調整するには、太陽の位置を把握する必要がある。そこでイギリスのジョン・スミスは均時差についての論文「自然時間の不同性、その理由と事実」(1688年)を発表した。均時差の表示機構を時計に組み込むというアイデアは17世紀のイギリス製クロックに見られたが、携帯時計ではほとんど例がない。時計師のレオン・オーベールとポール・オーギュスト・ゴレイは均時差表示機構付きの複雑時計をプレゲやパテック フィリップのために製作したが、わずか4点にすぎない。現在は、オーデマピゲが均時差表示機構を得意とする。