ムーブメントを保護する外装部品。主に風防、ミドルケース、ケースバック、ベゼル、ラグに分かれる。腕時計の性格上、防塵、防汗、防水性などが求められる。防水ケースの先駆けは1920年代のロレックス・オイスター。40年代には部品を一体化したワンピースケースも見られたが、普及しなかった。異形ケースが普及したのは、防水用のパッキンが進化した1970年代以降のこと。部品点数が少ないほど望ましいとされるが、加工技術の進化した現在、部品数を増やした複雑なケースも増えつつある。
■ラウンド(Round)
丸型ケースのこと。懐中時計でよく使われた形状。ベゼルの形状などによリ大分して15種類ほどに分かれる。
■クッション(Cushion)
1930年代に流行したケース。その名前の通り、クッションのようにソフトな膨らみを持つ。
■スクエア(Square)
正方形のケース。防水性が確保できない欠点を持っていたが、1970年代以降は防水性を高めた。
■レックタンギュラー(Rectangular)
長方形のケース。アメリカ製の時計が好んだ意匠。1930年代から50年代にかけて流行した。
■トノー(Tonneau)
中央部が膨らんだ樽型のケース。1920年代に流行したが、フランク・ミュラーによって再び日の目を見た。