時計用語辞典

Steel

はがね(刃金)とも。少量の炭索を含有した鉄のうち炭索含有量が0.035~1.7% のものを指す。軽度な合金のため鉄に比べて強靱な上、炭索を多く含んだ銑鉄に比べて展延性に富む。現在は炭索を多く含んだ銑鉄を製鋼炉で燃やし、炭素や不純物を取り除いて精錬する。時計部品で主に用いられるのは炭索0.5〜0.8%を含んだもの。焼き入れして歯車のカナや軸などに使用する。現在は炭索含有量の少ない鋼で部品を製造し、表面だけに炭素を染み込ませて焼き入れする手法も多用される。なお1940年代以前は鋼に珪索を加えた合金をバネやゼンマイの材料に用いていたが、以降はより弾性を有するコバルトやクロームを加えた合金となった。