鉱物の一種。モース高度9と極めて硬く、主に腕時計の風防に使われる。樹脂製や強化ガラス製の風防より頑強なため、1980年代以降多くの時計に使用されている。記録上初の採用例はオメガの防水時計「マリーン」(1932年)。極めて硬いため平面以外の加工が難しいとされてきたが、90年代以降の高級時計にはドーム状のサファイアクリスタルを持つものもある。なお平板なサファイアクリスタルとドーム状のものでは、製造コストは5倍から10倍異なると言われる。時計に使われるサファイアはすべて人工製。時計のケースにサファイアクリスタルを採用した例には、センチュリー「バキューム・クロノメーター」(1969年)などがある。