時計用語辞典

耐磁性

Antimagnetic

磁気に対する影響を軽減する性能のこと。通常の時計でも1800A/m程度の耐磁性を持つが、耐磁時計は4800 A/m(磁界強度)以上、強化耐磁は1万6000A/m以上を指す(JIS/ISO規格による)。それ以上の超耐磁時計としてはIWCの「インヂュニア」やロレックス「ミルガウス」、などが有名で、約8万A/mの耐磁性能を持つ。一般的な耐磁時計はムーブメントの部品に耐磁素材を用いるが、「インヂュニア」のような超耐磁時計では加えてケースにスティール製のインナーケースを設けて、磁気をシャットアウトしている。過去にはムーブメントの部品に超耐磁性素材を用いて、実測370万A/m以上の耐磁性を実現した「インヂュニア50万A/m」(1989年)のような例もあるが、超耐磁部品は耐久性が低い上、温度変化に弱く、普及はしなかった。オメガの「マスターコーアクシャル」も同じアイデアから生まれたメカニズムだが、理論上の耐久性と耐磁性ははるかに高い。