クロノメーター脱進機とも。1765年、フランス人時計師のピエール・ル・ロワが発明した。拘束角が小さく高い等時性を与えられるほか、ツメ石とガンギ車の接触面が小さく、設計が優れていればほとんど注油の必要がない。またスイスレバー脱進機に比べてより大きなテンワを駆動することができる。一方、テンプの振り角が上がりすぎる“振り切り”が起こりやすく、衝撃で簡単に停止する。また姿勢差が大きいため携帯時計への採用例は少ない。オーデマ ピゲのAP脱進機や、ジャガー・ルクルトのエリプス・イゾメーター脱進機(いずれも2007年)などはデテント脱進機の欠点を改良した、広義のデテント脱進機に含まれる。オメガが開発したコーアクシャル脱進機(1978年、製品化は1999年)もまた、デテントをベースにした脱進機といえる。