機械式クロノグラフのクロノグラフ針や積算計をリセットさせるための部品。ハートカムを押し込んで回転させるため、先端がハンマー状になっている。30分と12時間積算計を持つクロノグラフの場合、リセットハンマーの数は3つ。かつて、自動巻きクロノグラフの実現が難しかった一因に、スペースが必要なリセットハンマーの存在があった。なお1987年にフレデリック・ピゲは1枚の板から成形したコンパクトなリセットハンマーを採用し、現在のトレンドを先駆けた。2007年発表のショパール「L.U.Cクロノワン」では、リセットハンマーの角度を個別に調節可能としており、ゼロリセット時の針ズレが調整できるようになっている。また、ブライトリングのキャリバーB01は、リセットハンマーをバネ状に成型してあるため、事実上調整が不要になった。