必要に応じて音で時間を知らせる機構のこと。一般的には指でプッシュボタンを押す、またはスライドさせた力でリピーター用のゼンマイを巻き上げ、ゴングを鳴らすリピーターと、巻き上げたゼンマイの力でゴングを鳴らすソヌリに分かれる。初出は1675年。これは30分と15分おきに時間を知らせる、ハーフおよびクォーターリピーターであった。87年にはエドワード・バーロウ、トーマス・トンピオン、ダニエル・クエールの3者共同で特許が取得されている。1750年にはトーマス・マッジがファイブミニッツリピーターを開発。82年にはアブラアン-ルイ・ブレゲが鐘に代えてワイヤゴングとハンマーを採用。音質の向上と時計の薄型化を実現した。なおリピーターの調速機構にはギアを使ったものと、空気抵抗によるものがあり、後者は廉価版とされてきた。しかし調速音がしにくいため、近年のリピーターには後者を採用したものも多数ある。