歯車の軸受けなどに使う石のこと。抵抗と摩耗を減らす効果がある。通常は穴を開けた人工ルビーが用いられるが、かつてはブルーサファイヤやダイヤモンドも使用された。初出は1704年、ニコラス・ファシオ・デ・デュリエによるもの。なお1960年代までのアメリカでは石数によって関税率が変えられていたため、アメリカに輸出されるスイス製時計は、多くが17石以下であった。ジャガー・ルクルトが2007年に発表した「マスター・コンプレッサー・エクストリーム・ラボ」は、ルビーに代えて、セラミック系のエアジウムを穴石に使用しており、軸受けへの完全無注油を実現した。