緩急針でヒゲゼンマイの有効長を変えるのではなく、テンワの慣性を変えることで、時計の遅れ進みを調整する機構のこと。正しくは、フリースプラングバランス、またはフリースプラングテンプという。18世紀半ば以降のマリンクロノメーターや、高精度な懐中時計の一部には採用されていたが、腕時計への転用は、パテック フィリップの「ジャイロマックステンプ」が初。現在は、ロレックスやオメガ、パネライやショパールなども広く採用する。テンプに設けられたチラネジを出し入れしたり、マスロットを回転させることでテンワの慣性を変える。