世界のセレブたちがどんな時計を着けているのか、ワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、幅広い役柄を演じる日本を代表する俳優のひとりであり、現在も話題のドラマ「VIVANT」に出演中の役所広司が2023年5月に開催されたカンヌ国際映画祭で着用していたブシュロンの腕時計に着目した。
Text by Yukaco Numamoto
2023年8月13日掲載記事
国内外で高い評価を受ける俳優の役所広司
国際的に活躍する日本人俳優が年々増えるなか、先陣を切って活躍を重ねたひとりとして挙げられるのが役所広司だろう。役所広司は1979年にデビューし、1983年に放送されたNHKの大河ドラマ「徳川家康」では織田信長役を好演するなど、早期から数々の作品に出演し、確かな存在感を放ってきた。
1996年には「Shall we ダンス?」で、社交ダンスの世界に魅了されていく平凡なサラリーマンを演じた。この映画で社交ダンスの注目度が大きく上がったことを覚えている読者の方も多いことだろう。同年には、他にも「眠る男」「シャブ極道」で国内の映画賞を次々と獲得する快挙を成し遂げた。
役所広司の出演作は、1997年にカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した「うなぎ」、2001年に国際映画批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞を受賞した「ユリイカ」など国際映画祭への出品作品が多い。2005年には「SAYURI」、2006年には「バベル」に出演している。特に「バベル」はカンヌ国際映画祭で監督賞、ゴールデンクローブ賞で作品賞など数々の賞を受賞し、多数のニュースに取り上げられた。
個人での受賞も多く、直近では2023年のカンヌ国際映画祭において「パーフェクト・デイズ」で最優秀男優賞を受賞している。パーフェクト・デイズの監督は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」や「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」の作品で日本にも熱狂的なファンを持つヴィム・ヴェンダースである。
ロードムービーを得意とすることで有名なヴィム・ヴェンダースは、日本文化の一面に着目した作品も数多く作っている。最新作、パーフェクト・デイズで役所広司が演じるのはトイレの清掃員だ。東京・渋谷で繰り広げられる日々の小さな揺らぎを描き、平凡に見えるような淡々とした毎日も、彼にとっては新鮮で小さな喜びに満ちたものであると描いている。日本での公開日は未定だが、大きな話題となることは間違いないだろう。
役所広司がカンヌ国際映画祭で着用していたのは、仕掛けが楽しいブシュロン「リフレ」
腕時計を20~30本は所有しているという時計好きとして知られる役所広司が、今回のカンヌ国際映画祭のステージ上で着用した時計はブシュロンの「リフレ ウォッチ スティール ラージ」だった。画像からはストラップを鮮やかなブルーのアリゲーターストラップに替えていることが分かる。
ブシュロンが特許を取得しているインビジブル クラスプ・システムが本モデルに採用されているため、役所が何本か替えベルトを持っていることが想像できる。旅行の際などには複数本の時計を持っていくことは面倒に感じることがある。TPOやファッションに合わせて、気分次第で好きなストラップに簡単に替えられる機能は移動が多いユーザーにとっては魅力的だろう。
役所広司が着用しているモデルは縦42mmのラージサイズで、日本では未展開のものだ。自動巻き。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(縦42×横24mm)。30m防水。日本未発売。
さて、本作には着用者だけが楽しむことができる秘密の仕掛けが施してある。シークレットシグネチャーと呼ばれる、ダイアルのケース表面にそっと息を吹きかけるとヴァンドーム広場とシンボリックな円柱のホログラムが一瞬だけ姿を現すものだ。これは湿度と温度差に反応して現われる、遊び心のある仕掛けである。消える時の儚い様子も必見だ。
裏蓋にはエングレービングで「Je ne Sonne que les Heures Heureuses」とフランス語が刻まれている。意味は「私は喜びの時だけを刻む」だ。フランス語の発音で「時」と「幸せ」が近いため、洒落の効いたフレーズであることが分かる。名匠の作品で最優秀男優賞を受賞した、まさに嬉しい瞬間に役所広司がこの時計を選んだと考えるとますます味わい深い。
日本で購入可能なリフレ ウォッチ スティール ミディアム
ちなみに役所広司が着けこなしているリフレ ウォッチ スティール ラージは、残念ながら日本では未展開のモデルだ。代わりとして購入するならば、小型モデルにあたる「リフレ ウォッチ スティール ミディアム」がお勧めだ。
クォーツ。SSケース(縦35.5×横21mm)。30m防水。52万2500円(税込み)。
同作では縦35.5×横21mmと、より日本人の手首にフィットするサイズ感を持つケースに、使い勝手に優れたクォーツムーブメントを搭載している。
もちろん、前述のインビジブル クラスプ・システムも採用されており、手軽・気軽なストラップ交換が可能だ。取り回しの良い1本だ。
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