世界のセレブたちがどんな時計を着けているのか、ワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、デビューから長いあいだ男女を問わず幅広い層から人気を集め、現在は9月1日より全国公開の「スイート・マイホーム」に出演している俳優の窪塚洋介が選んだオーデマ ピゲの「ロイヤル オーク」に着目した。
Text by Yukaco Numamoto
2023年9月3日掲載記事
深みあるアーティスト気質の窪塚洋介
俳優、ミュージシャン、モデル、レゲエDJとして幅広く活動し、多彩な才能と魅力的な人物像で幅広い年齢層から支持を集める窪塚洋介。1995年のテレビドラマ「金田一少年の事件簿」に深町充役で出演したのが芸能活動の始まりである。その役は命を落とす役柄であり、周りの出演者から「デビューが死ぬ役っていう役者は大成する」と言われながら、「そう言って慰めてくれているのかな」と思ったようだ。その後も、GTOなどヒット作に出演しているが、窪塚洋介の名を広く世に広めた作品は「池袋ウエストゲートパーク」の安藤タカシ役なのではないだろうか。キングと呼ばれる安藤タカシの役柄は、周囲から尊敬され、畏怖されるカリスマ的存在だ。今でも窪塚洋介のインスタグラムのコメント欄には「キング」と呼びかけるファンのコメントを多数見ることができる。
独特のオーラをまとった窪塚洋介の佇まいはファッション業界からも注目度が高く、ディオールなどのコレクションに招かれたり、ブランドアンバサダーとしての活動依頼も受けたりしている。最近は仲間とゴルフをすることに夢中で、ゴルフウェアのブランド「8G SHOOT」（エイジシュート）のプロデュースもしている。ちなみにブランド名は、18ホールを自身の年齢以下の打数でホールアウトすることを意味する“Age Shoot（エイジシュート）”に由来し、「多くのゴルファーがナチュラルなライフスタイルで幸せに過ごせるように」というブランドメッセージが込められている。30～40代などの比較的若い年齢層のゴルファーにとってエイジシュートの達成はなかなか難しいと思うが、年齢を重ねても体力とスポーツを楽しむ気持ちを大切にすることは豊かな生活を実現する上で重要なエッセンスとなる。
窪塚洋介は現在44歳で、音楽仲間、俳優仲間、ゴルフ仲間に恵まれ、まさに充実した日々を送っている。19歳の息子である窪塚愛流も俳優として着々とドラマや映画、CMなどに出演を重ねている。
窪塚洋介が愛用する腕時計はオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オートマティック」
自動巻き（Cal.4302）。32石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約70時間。18KPGケース（直径41mm）。50m防水。
2023年7月8日に投稿された窪塚洋介のInstagramを見ると、オーデマ ピゲの「ロイヤル オーク オートマティック」と思われる腕時計が写っていた。ブラックのグランドタペストリーダイアルとアリゲーターストラップに、直径41mmの18Kピンクゴールドケースが合わせられたモデルである。反射防止加工のサファイアクリスタルケースバックや、ねじ込み式リュウズを備え、ブレスレットには18Kピンクゴールド製のAPフォールディングバックルが付属する。パワーリザーブ約70時間の自動巻きキャリバー4302を搭載する。
窪塚洋介は「GQ STYLE FEST 潮流文化祭」など他のイベントでもロイヤル オークと思われる腕時計を着けている。2019年1月には、GQの企画でロイヤル オークを試着する機会があった。この際に、昔から強い憧れを抱いていたというロイヤル オークに対して「とうとう着けてしまったなという感じがしています」と感想を述べていた。ロイヤル オークの装着感の良さは驚くほどである。腕に沿い、一体感が生まれる感覚を覚えた時にますます魅力を認識する。
GQの企画のインタビューでは「特にこのシグネチャーである8角形のベゼルが好き」と語り、「8角形の時計はグッド・フォーチュンだと聞いたことがある」というエピソードも披露していた。風水学上では8角形は四方八方への宇宙的な広がりを意味するため、「パワーがみなぎる気がする」というのはあながち間違いではないと言える。金時計の存在感には、仕事に対するモチベーションアップや、大事な仕事の前に勇気づけてくれる存在になると感じる読者の方も多いのではないだろうか。根底にスピリチュアルな考えがなくとも、なんとなく前向きな気持ちにさせてくれる、ラッキーなことが起こる気がする、というのは時計を購入する重要な理由のひとつになるに違いない。
また、窪塚洋介の時計選びにおいてもうひとつ気になるのはゴルフブランド「8G SHOOT」においても「8」という数字を使っていること。「エイジシュート」の音と掛けただけかもしれないが、窪塚洋介が「8」の数字を気に入っていることは間違いないだろう。となると、8角形ベゼルのロイヤル オークが刺さったことも納得だ。
GQの企画がきっかけになったのかどうかは定かではないが、実際に着用してみて「これは欲しい時計だ」と窪塚洋介が決心したのであれば、いい意味で魔性の時計である。着用した瞬間から「欲しい、どうしても欲しい」と思わせられる時計はそう多くない。そういう時計は手に入れた後はまさに相棒のような存在となってくれる。窪塚洋介のインスタグラムには、ロイヤル オーク オートマティックを浴衣姿にもさらりと合わせる姿が見られる。このモデルがこれからの窪塚洋介の活躍にも寄り添ってくれそうだ。
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