スイスの時計メーカー、アルピナは2023年に創業140周年を迎えた。これを記念して発表されたのが、歴史的なムーブメントであるCal.490を搭載したレクタンギュラーケースの「ヘリテージ・カレ メカニカル 140イヤーズ」だ。1938年に発表されたCal.490のうち、洗浄と注油が行われた28個が使用され、レトロな外装が与えられた復刻モデルである。
手巻き(Cal.AL-490)。17石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約42時間。シルバーケース(縦35.7×横29.5mm)。30m防水。世界限定14本。国内未入荷(参考価格4995ユーロ/約79万円)。
アルピナ創業140周年を祝す、Cal.490の帰還
2023年に創業140周年を迎えたアルピナは、1938年、つまり85年前に発表したレクタンギュラーウォッチを「ヘリテージ・カレ メカニカル 140イヤーズ」として復活させた。特筆すべきは、当時作られたムーブメントを搭載していることにある。
1930年代に作られたプロトタイプは、すでに内部に防塵カバーを持つ特許取得のリュウズを備えており、アルピナが当時から堅牢な時計作りを追求していたことを示している。
ヘリテージ・カレ メカニカル 140イヤーズに搭載される、手巻きムーブメントのCal.490は堅牢な設計だ。振動数は当時一般的であった1万8000振動/時で、パワーリザーブは約42時間を備え、石数は17石である。ムーブメントのエッジには面取りが施され、サンバースト仕上げの角穴車、そしてチラネジを備えた大きなテンプが特徴だ。これらの特徴を備えたムーブメントは、サファイアクリスタル製ケースバックから鑑賞できる。
本作には縦35.7mm、横29.5mmのシルバー製ケースが与えられた。文字盤はブラックとシルバーカラーの2モデルが用意され、それぞれ14本のみ製作される。このふたつのモデルのデザインはわずかに異なり、ブラックダイアルには丸いスモールセコンド、シルバーカラーダイアルにはレクタンギュラーのスモールセコンドが組み合わされている。
85年前のムーブメントを搭載した「ヘリテージ・カレ メカニカル 140イヤーズ」
マッターホルンの近くで開催されたアルピナの創立記念式典において、私たちはヘリテージ・カレ メカニカル 140イヤーズを着用する機会を得た。このモデルはレトロなデザインをまとっているだけでなく、4995ユーロ(約79万円)という非常にこなれた価格となっている。ケースはとても薄く、手首に心地よくフィットする。レクタンギュラーというケースの形状により、サイズは控えめ印象だ。
ムーブメントを見た目も良い。面取りされたエッジやサンバースト仕上げなどの装飾も味わいを生み出している。現在作られる機械式ムーブメントでは、チラネジを備えた大きなテンプはあまり採用されない。高振動数の時計に最適なのは、小さなテンプだからである。
1938年のオリジナルモデルと同じであるこのムーブメントは、一度も使用されずに保管されていたものだ。アルピナは洗浄と注油を行い、新しいケースに取り付けた。往年のムーブメントが復刻モデルに搭載されてよみがえり、再び時を刻むというのは素晴らしいことである。
アルピナのブランドマネージャー、オリヴァー・ヴァン・ランショット・ウブレヒトは、合計で約40個のムーブメントを購入し、本モデルでは合計で28個を用いて、14本ずつの2種類を展開したと語った。
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