2023年にウブロが発表したトゥールビヨン搭載モデルの中で、ひときわ抜きんでた存在が、シルバーカラーに輝く超軽量の「ビッグ・バン インテグレーテッド トゥールビヨン フルカーボン」だ。カーボンファイバー製のケースとブレスレットは、テキサリウムと呼ばれる新素材でコーティングされている。今回はウブロCEOのリカルド・グアダルーペに、本作の見どころについてインタビューを行った。
カーボンファイバーとテキサリウムを組み合わせたケースで、重さはわずか68g
watchtime:ウブロは2023年も多くのセンセーショナルな新作を発表しました。その中で、あなたの個人的なお気に入りはどのモデルですか?
リカルド・グアダルーペ:私が今、着用しているのは「ビッグ・バン インテグレーテッド トゥールビヨン フルカーボン」です。表面にカーボンとテキサリウムという新素材の層があります。この時計は非常に軽量で、ブレスレットを含めてもわずか68gしかありません。自動巻きの自社製ムーブメントはトゥールビヨンを搭載しており、サファイアクリスタル製のブリッジを備え、トゥールビヨンケージやマイクロローターがデザインの一部となっています。
自動巻き(Cal.HUB6035)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。カーボンファイバー×テキサリウムケース(直径43mm、厚さ14.15mm)。3気圧防水。世界限定50本。1746万8000円(税込み)。
watchtime:この時計は、着けていることを忘れそうなほど軽量です。テキサリウムの採用は、今回が初めてではありませんよね?
リカルド・グアダルーペ:テキサリウムは「ビッグ・バン ウニコ ゴルフ」やその他のモデルにも使われています。しかしビッグ・バン インテグレーテッド トゥールビヨン フルカーボンで初めて、テキサリウムとカーボン製のブレスレットリンクを採用しました。
watchtime:時計はすべて自社で製造しているのですか?
リカルド・グアダルーペ:はい、私たちは原料のみ仕入れています。ビッグ・バン インテグレーテッド トゥールビヨン フルカーボンは世界で50本の限定生産モデルです。この本数で、テキサリウムとカーボンを組み合わせるというテーマに取り組みました。同様の手法でさらに多くの本数を生産できるかどうか、見極めようと考えたのです。
watchtime:テキサリウムとは具体的にどのよう素材なのでしょうか。また、どのようにカーボンと結合しているのでしょうか?
リカルド・グアダルーペ:テキサリウムとは、グラスファイバーにアルミニウムの薄膜を合わせた複合素材ですが、組成の詳細は秘密です。何層ものカーボンファイバーによって構成されるカーボンの両面を、テキサリウムでコーティングしています。テキサリウムを塗布したのち、加圧して成形します。ご存じのように、この工程はケースだけでなく、ブレスレットのリンクを個々に扱う非常に複雑なものです。リンクの数はおよそ20点で、形状の異なるパーツで構成されています。この工程もまた、新たな挑戦でした。ビッグ・バン インテグレーテッド トゥールビヨン フルカーボンは、ウブロが誇るノウハウを象徴しているのです。
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