ハリー・ウィンストン 四半世紀を輝き続ける綺羅、星の如し

2023.10.03

ニューヨーク5番街に本店を構える世界屈指のハイジュエラー、ハリー・ウィンストンが創作する「HW オーシャン」コレクションは2023年、誕生から25周年を迎えた。時計の伝統的なメゾンとは一線を画し、独創的な機構と大胆なデザインを追求するウォッチメイキングが生み出してきたのは、比類ない稀少性と特別な価値を有する正真正銘のラグジュアリースポーツウォッチ。四半世紀を経て発表された新作にもそのエッセンスが見事に宿る。

HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック 42mm

HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック 42mm
「HW オーシャン」コレクションの最新作。力強く構築的なケースや新しいオフセンターダイアルを合計352個のラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドによって鮮やかに強調する。自動巻き(Cal.HW3203)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。18KWGケース(直径42.2mm、厚さ10.32mm)。10気圧防水。1138万5000円(税込み)。
奥山栄一:写真 Photographs by Eiichi Okuyama
菅原茂:文 Text by Shigeru Sugawara
Edited by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2023年11月号掲載記事]


HW Ocean Collection 25th Anniversary Since 1998

 1989年に高級時計の分野に進出したハリー・ウィンストンは、およそ10年後、真に稀少で究極の腕時計を創作するという基本方針の下、ユニークなデザインと機能を併せ持つパワフルなスポーツウォッチを開発した。その名も、豪華なクルーザーで世界を旅するハイライフをイメージさせるような「HW オーシャン」である。今やブランドを代表するモデルのひとつとして確かな地位を築く同コレクションを長らく印象づけてきたのは、シンメトリーを成すふたつの反復表示が特徴的なバイレトログラード、ニューヨークの都市景観からインスパイアされた建築的なオープンワーク、「プロジェクト Z」シリーズで有名な特殊合金のザリウム、また斬新なデザインのクロノグラフ、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダーなどだ。

HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック 42mm

“キング・オブ・ダイヤモンド”の美意識を語るセッティング。オフセンターダイアルには、ロゴとアワーマーカーの間にグラデーションによる2列のダイヤモンドを配し、同時にチャプターリングの立体感を強調。

 25周年を迎える今年発表された新作は「HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック42㎜」。美しい光彩を放つマザー・オブ・パールを大海原に、ダイヤモンドの輝きを海の煌めきに見立てた新しいダイアルは、オフセンターの表示レイアウトも実に魅力的だ。2時位置の時刻表示、その上に「8」の字を描くようにして巨大なリングを重ねた日付表示、両者に挟まれたムーンフェイズ表示、これら3つの円が交錯する幾何学構成は、人気モデルの「HW ミッドナイト・デイト ムーンフェイズ オートマティック42㎜」に通じるもの。実際に搭載ムーブメントも同じくキャリバーHW3203なのだが、新作が決定的に違うのは、ハリー・ウィンストンの真骨頂であるダイヤモンドによる緻密に計算された装飾にほかならない。

HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック 42mm

オフセンターダイアルとムーンフェイズ表示の上に重なる日付表示リングは奇数数字の間にダイヤモンドを並べる。

 時刻表示のオフセンターダイアルにはアワーマーカーの間にグラデーションによる2列のダイヤモンドを配し、日付表示リングには奇数数字とダイヤモンドを交互に並べ、ムーンフェイズ表示も1列のダイヤモンドで取り巻く。文字盤に用いられたラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドは合計112個。ベゼル、ケース側面、ラグ、リュウズガードなどにセットされたラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドは合計196個、バックルにも44個があしらわれている。

 25周年記念モデルとして、ブレスレット仕様で、時計全体を約1000個のダイヤモンドで埋め尽くした世界限定5本のモデルも製作され、すでに完売している。これはもう時計機能も付属する究極のジュエリーと言うほかない。単にダイヤモンドで装飾した時計なら決して珍しくはないが、ハリー・ウィンストンの場合、カラーやクラリティ、カットなどを厳選したトップグレードのダイヤモンドのみを用い、高度なセッティング技術で仕上げる宝石職人の技が格別な価値を生む。まさに〝キング・オブ・ダイヤモンド〞ならではだ。

HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック 42mm

ケース側面からラグにかけて2列のダイヤモンドが連続。曲面へのセッティングやグラデーションの配置が絶妙。

 さらに秀逸なのは、ダイヤモンドによる装飾はレディースウォッチを優美に見せるためのものという従来の考えから脱却しているところ。ダイヤモンドが「HW オーシャン」のダイナミックなスポーティールックとエレガントなディテールを絶妙に強調し、ラグジュアリーの格別なオーラが腕時計全体に行き渡っている。こうした演出は、何よりオーナー自身を輝かせ、ライフスタイルのさまざまなシーンに精彩をもたらすに違いない。身に着けて心が豊かになることがラグジュアリーウォッチの真価ならば、本作はその役を演じるベストパートナーになるだろう。

HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック 42mm

自社ムーブメントは、高性能とともに装飾仕上げやローターの凝ったデザインも特色だ。



Contact info: ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション Tel.0120-346-376
https://www.harrywinston.com/ja


ハリー・ウィンストン 煌めきとハイウォッチメイキングのクライマックス

https://www.webchronos.net/features/87280/
ハリー・ウィンストン アートピースへと昇華するウォッチメイキングの真骨頂

https://www.webchronos.net/features/83182/
ハリー・ウィンストンのメンズ向け時計を紹介。歴史・複雑機構の魅力とは?

https://www.webchronos.net/features/88280/