世界で4台のみが生産された特別なロールス・ロイス、「ラ・ローズ・ノワール」。深い赤みを帯びたボディカラーと同じ色味をまとった車載時計として、オーデマ ピゲの「ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイト」が搭載された。ラ・ローズ・ノワールを手にした者だけが、この特別な腕時計を着用することができる。
[2023年10月4日公開記事]
「ラ・ローズ・ノワール」の車載時計として選ばれた、オーデマ ピゲの特別なロイヤル オーク
自動車が登場して以来、自動車と時間計測が密接に関わっていることは知っての通りだ。タキメーターで距離と速度を計算したり、ドライバーに常に正しい時刻を知らせたりと、時計は常に自動車業界で重要な役割を担ってきた。
ロールス・ロイス「ラ・ローズ・ノワール」は、メディアを賑わせた車だ。もちろん2500万ユーロ(約40億円)という価格、世界に4台しか存在しないという希少性、仕上げなどが大きな話題となったのであるが、それらは表面上のものに過ぎない。この車はすべてが最高級なのだ。そして車載時計には、究極のラグジュアリーに見合うブランドのものが必要だった。そしてオーデマ ピゲが選ばれたのである。
この車載時計について詳しく述べる前に、高級車のダッシュボードへ機械式時計を搭載するコンセプト自体は新しいものではないことを説明しよう。1930年代、ブガッティはブレゲにオンボード・クロノグラフの製作を依頼した。そのずっと後には、ベル&ロスがプジョーのコンセプトカーのために、取り外し可能な車載時計を考案している。
自動巻き(Cal.4407)。73石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Tiケース(直径43mm、厚さ17.4mm)。50m防水。
最近では、アルピーヌのパートナーであるティソが、手の届きやすい価格帯の時計をフランスの小型レーシングカーのダッシュボードに組み込んで発表している。プレステージ性の高いブランドであるボヴェは、スイスでロールス・ロイス「ボート・テイル」のために贅沢な車載時計を開発した。
今回、英国のロールス・ロイスと手を組んだのは、スイスのル・ブラッシュに拠点を置くマニュファクチュール、オーデマ ピゲである。
そして、世界で4台しか生産されないラ・ローズ・ノワールのダッシュボードに、「ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイト」が格納されることになった。
2シーターのカブリオレであるラ・ローズ・ノワールは、“芸術とモードを愛する”フランスの富裕層カップルによって発注されたといわれている。噂では、LVMHの会長を務めるアルノー夫妻ではないかといわれている。
ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイトは、ラ・ローズ・ノワールのダッシュボードに完璧に収まっているが、手首に着用するために取り外すこともできる。時計がダッシュボードにないときは、その位置に黒いバラのエングレービングが現れる。
車のダークレッドのボディカラーは「トゥルー・ラブ」と名付けられており、同じ色がこの車載時計にも採用されている。このカラーは、見る角度によって色味が変わって見えるのが特徴だ。時計を車のダッシュボードに格納すると、両者は完璧に調和する。
ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイトに加え、レザーとウッドで統一された車内には、シャンパンボトルと2本のフルートグラスを収納するスペースが設けられている。またエンジンは、最高出力600bhpの6.6リッターV12ツインターボを搭載している。
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