2011年、フレンチ マニュファクチュールの下で誕生した「カリブル ロワイヤル」は次世代機と呼ぶにふさわしいムーブメントだった。今、その名機が、アイコンになる。
文字盤を省き、露出させた地板にペルラージュが施されていることが特徴のモデル。本作の文字盤に合わせて、ライトベージュのアリゲーターストラップが装備される。自動巻き(Cal.EPM01)。39石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約88時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。100m防水。日本限定17本。
Edited & Text by Chieko Tsuruoka (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2023年11月号掲載記事]
ペキニエ「ロワイヤル サフィール ペルラージュ」
フランスの時計ブランド、ペキニエが日本限定モデル「ロワイヤル サフィール ペルラージュ」を発売した。
「ロワイヤル」は2011年に誕生した、自社開発ムーブメント「カリブル ロワイヤル(EPM01)」を搭載するコレクションだ。このムーブメントの美点はふたつある。ひとつは、スイスブランドが自社ムーブメントの開発に鎬を削る中、その競争へフレンチマニュファクチュールを掲げて参戦した点。ふたつ目は、効率的な駆動方式「センターシャフト・ドライブ」や、日付・曜日ディスクが隣接した「フラット3ディスク・ジャンピングデイデイト」など国際特許取得の独自設計を備えていたことから、他社の基幹キャリバーとは一線を画す点だ。カレンダー操作禁止時間帯がないことも、特筆したい。
同じくカリブル ロワイヤル搭載のロワイヤル サフィール ダウンホワイトも登場した。文字盤は厚さ0.1mmのサファイアクリスタル製だ。自動巻き(Cal.EPM01)。39石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約88時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。50m防水。計画年産20本。
そんなカリブル ロワイヤルは、ロワイヤル サフィール ペルラージュによって、〝優れたムーブメント〞としてのみならず、アイコンとして昇華されるステージに入った。文字盤を省くことで、この名機は可視化され、本作のデザインコードとなったのだ。また、露出した地板にはペルラージュ装飾が施され、各ディスクに淡いピンクが添えられた。文字盤にあったブランドロゴや秒目盛り等の各表示は、サファイアクリスタル製風防の裏側にプリントされており、名機の意匠を邪魔しない。秀逸な色使いやパーツの造形も見るべきだが、ムーブメントのカリブル ロワイヤルがあくまで主役であることを、強く主張するデザインだ。
風防へのプリントがホワイトであるため、視認性が損なわれているのは気になる。しかし、本作は実用性よりも機械式ムーブメントの愉悦に浸る、時計愛好家のためのアイコンと言えよう。
ペキニエ「ロワイヤル」コレクションがそろうフェア開催
フレンチマニュファクチュールは止まらない。ペキニエは21年に手巻き「カリブル ロワイヤル マニュアル(EPM02)」を、21年には、よりベーシックな自動巻き「カリブル イニシャル(EPM03)」を発表。幅広い層を見据えたブランド戦略の中で、コレクションを拡充し続けている。
そんなペキニエのロワイヤルコレクションが集結するフェアが、松坂屋名古屋店で開催される。前述しているロワイヤル サフィール ダウンホワイトは現在国内在庫がない状態とのことだが、フェアでは世界限定33本生産の特別な「ロワイヤル パリ トリコロールカレンダー」や、24年に登場した、シェードグレー文字盤を備えた「ロワイヤル サフィール」、そしてブザンソン天文台クロノメーターを取得している18Kローズゴールド製のロワイヤル サフィール ペルラージュなどといったモデルが取りそろうというのだ。
期間:2024年9月11日(水)~2024年9月24日(火)
場所:松坂屋名古屋店 北館5階 GENTA the Watch
〒460-8430 愛知県名古屋市中区栄3丁目16番1号
TEL:050-5785-1189
自動巻き(Cal.EPM01)。39石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約88時間。SSケース(直径41mm、厚さ11.4mm)。100m防水。世界限定33本。165万円(税込み)。
自動巻き(Cal.EPM01)。39石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約88時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。5気圧防水。225万5000円(税込み)。
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