トリローブは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの研究を支援するために設立されたチャリティーオークション「オンリーウォッチ」の第10回目に参加する。オンリーウォッチは、50を越えるブランドがこのためにユニークピースを製作することで知られている。
今回トリローブは、「ユヌ・フォル・ジュルネ(Une Folle Journée)」に手を加え、金継ぎ技法を使うことでオンリーウォッチの哲学を反映したユニークピース「ユヌ・フォル・ジュルネ "レコンシリアシオン"」を完成させた。
自動巻き(Cal.X-Centric³)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Tiケース(直径40.5mm、厚さ17.8mm)。5気圧防水。ユニークピース。
[2023年10月12日公開記事]
トリローブが「オンリーウォッチ 2023」のために製作したユニークピース
日本の伝統技法のひとつである、金継ぎ。日本らしい洗練された優雅さが宿るこの技法は、15世紀末に生み出されたものだ。
金継ぎは、陶磁器などの割れや欠けを修復する日本の伝統的な技法であり、特に茶道の道具によく見られる。漆を用いて修復したところに金粉を撒いて装飾を施すため、「金継ぎ」と呼ばれる。修復跡を隠すのではなく目立たせるのだ。
金継ぎを施すということは、単に物を大事にするだけでなく、壊れたものの過去を大切にしつつ、第2の人生を与えるということだ。歴史が刻まれた「傷跡」を強調して、新たな価値を見いだすということでもある。
最高級の素材である黄金の輝きは、美しさと不完全さを調和させ、これらの傷を輝きのシンフォニーへと変える。この「傷ついた美」に魅了され、金継ぎが施された数奇な運命を持つ作品を収集する人々もいる。
日本の「金継ぎ」を取り入れた、トリローブ「ユヌ・フォル・ジュルネ "レコンシリアシオン"
トリローブの創業者でクリエイティブ・ディレクターも務めるゴーティエ・マソノーは、東京滞在中に金継ぎの技法に出合った。それから13年、この日本の技法からインスピレーションを得て、「レコンシリアシオン(和解)」と名付けたユニークピースを製作することを決意した。
金継ぎのようなデザインの、ブラックPVDチタン製の直径40.5mmのケースを備える本作には、過ぎゆく時の証人でありたいという思いが込められている。「私たちを形作る人生の苦難のように、このユニークな作品は意図的に壊されており、より貴重で魅惑的な姿を現すための旅に敬意を表しています」と、トリローブはプレスリリースで説明する。
レコンシリアシオンでは、時間を読み取るためのシンボリックなリングをはじめ、オープンワークにより露出したブリッジや地板などに金箔を配している。
文字盤の厚さは10.2mmで、ドーム型のサファイアクリスタル製風防を備えている。マイクロローターを搭載した自社製の自動巻きムーブメント、Cal.X-Centric³を搭載し、時、分、秒を示す3つのリングを備えている。
ストラップには、ブラックPDV加工を施したフォールディングクラスプが付属したアリゲーターストラップが組み合わされた。
時計ブランドのユニークピースが集まる「オンリーウォッチ」
スイスを拠点に活動し、常に洗練されたコンセプトで展開してきたトリローブは、詩的で考え抜かれた時計を提供することで、2023年11月5日にジュネーブで開催される「オンリーウォッチ 2023」で大成功を収めるだろう。
2005年にスタートしたチャリティオークションであるオンリーウォッチは、2年ごとの開催となっており、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの科学的研究に財政的支援を行ってきた。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは出生時に3000人にひとりの割合で発症する病気であり、オンリーウォッチの創業者であるリュック・ペタヴィーノも、息子をこの病気で亡くしている。
卓越したユニークピースが集結するオンリーウォッチは、医学研究への財政支援だけでなく、時が経つにつれてデュシェンヌ型筋ジストロフィーの啓蒙活動の一端を担うようになった。科学的研究のための重要なイベントであり、同時に各時計ブランドの魅力と投資の可能性を示す真のバロメーターにもなっている。
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