「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」は、数あるロレックスのコレクションの中でもとりわけ高い人気を誇る。そのデザイン性や話題性の高さが注目されがちな一方で、技術を結集して作られており、手に取れば品質の高さを実感するだろう。今回は、コスモグラフ デイトナの「防水性」に焦点を当て、使用シーンなども交えながら解説していく。
ロレックスのコスモグラフ デイトナが持つ防水性
オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナは、ロレックスの人気コレクションであり、元々はカーレース用に作られたクロノグラフだ。
ダイバーズウォッチでないとは知りつつ、海やプールといった水辺のレジャーでコスモグラフ デイトナを着けたい人もいるだろう。その防水性はどの程度なのか、防水性能の考え方とともに解説する。
オイスターケースが実現する100m防水
コスモグラフ デイトナは、ブランドのアイコンともいえるオイスターケースを採用している。オイスターケースは、ねじ込み式のリュウズとスクリューバックの裏蓋により、防水性を高めたケースである。
コスモグラフ デイトナの防水性能は、全モデル共通で100mだ。オイスターケースをはじめとした専門性の高い技術により、時計の気密性が高められている。
一般的にクロノグラフは、防水性を高めるのが難しいとされる。しかしロレックスは技術力によって、クロノグラフにも高い防水性を与えることに成功したのだ。
100m防水と10気圧防水との違い
コスモグラフ デイトナが備える100mの防水性能は、水深100mまでなら水中での使用に耐えられるという意味だ。水深10mで1気圧がかかることを踏まえると、100m防水は10気圧防水と同じであると捉えてしまうかもしれない。
しかし、気圧で表される防水性能は、一般用の防水性能に用いられるJISの規格だ。m(メートル)で表される潜水用の防水性能規格(ISO規格)と比べて、チェック項目が少ない。
100m防水の時計がクリアしている基準を10気圧防水の時計が満たしていない状態は、十分に考えられる。基本的には、100m防水の方が防水性は高いと考えて問題ないだろう。
コスモグラフ デイトナはマリンスポーツに耐えられるか
100mの防水性能を持つコスモグラフ デイトナは理論上、水深100mの海中で使っても問題ないということになる。ではヨットやダイビングなどのマリンスポーツ、プールで泳ぐ際に着用しても大丈夫なのだろうか。100m防水というデイトナの防水性能から、マリンスポーツに耐えうるのかを考えてみよう。
海やプールで水がかかる程度は問題なし
コスモグラフ デイトナのような100m防水の時計は、表記の通り水深100mまで耐えられる。したがって、しぶきがかかった程度で時計に水が入る心配はない。海やプールで少し泳ぐくらいなら、100mの防水性能で十分だ。
コスモグラフ デイトナに限らず100m防水のプロフェッショナルモデルには、オイスターケースのように、ねじ込み式のリュウズと一体化するタイプのケースが採用される。しかし、ガラスや裏蓋、リュウズといった部品のパッキンが劣化したり破損したりすれば、時計の内部に水が入り込んでしまう。
その点コスモグラフ デイトナは、外部からの影響を受けにくい時計を作り続けるロレックスの技術力から、耐久性も信頼できる。オーバーホールは使用頻度にもよるが、10年以内に実施することが推奨されている。
ダイビングには適さない
高い防水性能を誇るコスモグラフ デイトナも、ダイビングとなると不安が大きい。理論上は水深100mまでなら時計に水が入らないが、これは静止している状態での話だ。実際に水深100mのダイビングをするときは動き回っているため、10気圧より大きな圧力がかかる。
スキューバダイビングでの着用を想定したダイバーズウォッチは、一般的に200m以上の防水性能が備わっている。そのため、100m防水のコスモグラフ デイトナは、あくまで海やプールでの軽いレジャーに使える時計だと考えよう。
本格的なダイビングにも使える時計を探しているなら、「サブマリーナー」や「シードゥエラー」「ディープシー」など、ダイビングでの使用を想定しているコレクションが選択肢となる。
コスモグラフ デイトナが活躍するシーンと2023年の動き
これからコスモグラフ デイトナを買おうと思っているなら、防水性能の他にもチェックしておきたいポイントがいくつかある。特にこのモデルがマッチするシーンやトレンドは押さえておこう。また、コスモグラフ デイトナが誕生60周年の節目を迎えた2023年は、新作モデルも登場したので、こちらも併せて注目したい。
スポーツシーンからビジネスシーンまで
コスモグラフ デイトナには共通して、視認性の高いインデックスが採用されている。タキメーターを備えたベゼルも相まって、スポーツウォッチの印象を強めている。事実、時間の読みやすさや、時間の計測のしやすさはスポーツシーンで重宝するだろう。
一方でビジネスシーンにおいても、コスモグラフ デイトナは十分に活躍する時計だ。時間管理が重視されるビジネスでは、正確に時間を計れるクロノグラフは役立つ。シンプルで悪目立ちしないコスモグラフ デイトナなら、スポーティーなデザインでも違和感なくビジネスシーンになじむだろう。
コスモグラフ デイトナ60周年を記念して新作を発表
自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。197万4500円(税込み)。
コスモグラフ デイトナは2023年、誕生60周年を記念して、コレクション全体が見直された。カウンターの目盛りやインデックスのサイズが変更され、バランスのいいダイアルデザインにアップデートされている。
中でも新作のRef.126500LNに採用されたモノブロック セラクロムベゼルは、傷付きにくく紫外線にも強いハイテク セラミック製だ。オイスタースチールのブレスレットは、3列リンクの中央のみが鏡面仕上げとなっている。
コスモグラフ デイトナを身に着けてロレックスの機能性を堪能
コスモグラフ デイトナはカーレース用に作られたクロノグラフだが、ロレックスの技術力によって100m防水の性能を与えられている。海やプールでの軽いレジャーなら、時計に水が入る心配はない。
本格的なダイビングを考えているなら、サブマリーナーやシードゥエラーといった、ダイバーズラインの時計を選ぼう。100m防水は静止している状態での性能であり、水深100mのダイビングに耐えられるわけではない。
コスモグラフ デイトナは2023年で60周年を迎えた。これを機に発表された新作にも注目しつつ、気に入った1本を見つけてみるのもよいだろう。
参考サイト:ロレックス
https://www.webchronos.net/features/92968/
https://www.webchronos.net/features/38345/
https://www.webchronos.net/features/93743/