オメガのスピードマスターは、日常生活での水ぬれや海でのレジャーに使えるのだろうか。そこで、基本的な防水性能を知って、気に入る1本を選ぶ参考にしよう。5気圧防水、10気圧防水のスピードマスターから、おすすめのモデルもピックアップしている。
オメガ スピードマスターの防水性
オメガのフラッグシップコレクションであるスピードマスターは、元々モータースポーツ向けに作られたクロノグラフだ。ダイビングウォッチの防水性は備わっておらず、潜水用として購入する人はまれだろう。
とはいえ、日常生活やレジャーでどの程度の水に耐えられるのかは、気になるところだ。そこでスピードマスターが持つ防水性について確認しよう。
基本は5気圧防水以上
オメガのスピードマスターは、以下のシリーズに分類される。
- ムーンウォッチ プロフェッショナル
- ヘリテージモデル(スピードマスター '57、キャリバー321、記念モデル)
- ダーク サイド オブ ザ ムーン
- スピードマスター 38mm
- 2カウンター(クロノスコープ、スーパーレーシング、ムーンフェイズ、クロノチャイム)
- 計器(X-33 マーズタイマー、スカイウォーカー X-33、X-33 レガッタ)
このうち大半のモデルは、5気圧防水以上だ。「ムーンウォッチ プロフェッショナル」と「ダーク サイド オブ ザ ムーン」は、全モデルが5気圧防水となっている。
「'57」をはじめとしたヘリテージモデルは、5気圧防水が多く、「スピードマスター 38mm」の全モデル、2カウンターのムーンフェイズのうち11モデルは10気圧防水である。
ただ、計器モデルと、2カウンターの「クロノチャイム」は、3気圧防水の防水性能しかない。
防水性能の種類と意味
腕時計の防水性能の表示は、一般用の「bar」と潜水用「m」のふたつだ。一般用(bar)の防水性能は気圧で表され、以下の2種類に分けられる。
- 日常生活用防水:2気圧以上
- 日常生活用強化防水:5気圧、10気圧、20気圧
5気圧防水以上なら、手を洗ったときに水がかかったりウォータースポーツで多少ぬれたりしても、時計に水が入らない。10〜20気圧防水だと、軽い水泳や素潜りにも対応できる。
ただし一般用の防水性能は、「m」で表される潜水用には及ばない。ダイビングのときに着用するなら、潜る深さに応じて、100m、200mといった潜水用の防水性能表示がある時計を選ぼう。
5気圧防水のスピードマスター
日常生活での水ぬれが気になる程度なら、5気圧防水のスピードマスターで十分だろう。5気圧防水のモデルから、タイプの異なる2本を紹介する。
ムーンウォッチ プロフェッショナル
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。5気圧防水。123万2000円(税込み)。
オメガのフラッグシップモデル「ムーンウォッチ プロフェッショナル」は、アポロ11号の月面着陸に携行された第4世代のスピードマスターから、インスピレーションを受けたシリーズだ。
「ムーンウォッチ プロフェッショナル」 は、サファイアクリスタルガラスの風防を持つ。裏蓋にもサファイアクリスタルガラスが使われている。5列リンクのブレスレットは、ステンレススティール製だ。
ブラックのダイアルには、3つのサブダイアルとオメガのアプライドロゴが配置されている。時計を外したときに、ケースバックからマスター クロノメーター認定を受けたムーブメントを鑑賞できるのもうれしい。
スピードマスター スーパーレーシング
自動巻き(Cal.9920)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径44.25mm、厚さ14.9mm)。5気圧防水。179万3000円(税込み)。
「スピードマスター スーパーレーシング」は、スピードマスターで随一のスポーティーなラインだ。元々モータースポーツ向けに作られたスピードマスターの中でも、カーレースのプロフェッショナル向けに作られている。
2023年には、新作として新たな技術を搭載したスピードマスター レーシングが登場した。その名も「スピードマスター スーパーレーシング」だ。このモデルは、ヒゲゼンマイの弱点を克服したオメガの独自技術「スピレートシステム」により、緩急の微調整がしやすくなったムーブメントを搭載している。
ブラックのダイアルやベゼルと、鮮やかなイエローのコントラストが、時計の存在感をさらに引き立てる。セラミックス製のベゼルには、イエローのグランフーエナメルが施され、アロー型のインデックスに用いられているのは、イエローのスーパールミノヴァ(蓄光塗料)だ。
10気圧防水のスピードマスター
スピードマスターを着けて海に行くなら、10気圧防水の時計が安心だ。日常生活用強化防水のスピードマスターには、どのようなモデルがあるのかを見てみよう。
スピードマスター 38mm
自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。85万8000円(税込み)。
「スピードマスター 38mm」は、全てのモデルが10気圧防水のシリーズだ。名前の通りケース径が38mmと、メンズウォッチにしては小ぶりで、そのサイズは女性も着けられる時計である。
こちらのモデルは、ブルーのダイアルとステンレススティールのブレスレットが、爽やかで落ち着いた印象を与える1本だ。タキメーターを備えたベゼルリングも、ブルーのアルミニウムで色味が統一されている。
6時位置のサブダイアルと日付表示が、どちらもオーバル型になっているのもポイントといえるだろう。ふたつの楕円が重なり合い、独特のデザインが完成している。裏蓋にはスピードマスターの象徴、シーホースが刻印されている。
スピードマスター '57
手巻き(Cal.9906)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ12.99mm)。5気圧防水。146万3000円(税込み)。
「スピードマスター '57」は、1957年に誕生した「スピードマスター」のトリビュートとして、よりスリムとなったスタイルで登場。カラーダイアルのバリエーションが高級感あふれ、ビンテージ感のあるブレスレットが特徴である。
ムーブメントは、コラムホイールとコーアクシャル エスケープメント搭載の手巻きクロノグラフ「Cal.9906」。マスター クロノメーター認定、15000ガウスもの耐磁性能も備えた、オメガの技術が凝縮されているモデルである。
オメガ時計でのダイビングにはシーマスターがおすすめ
高い機能性で愛されるスピードマスターも、ダイビングでの使用には耐えられない。もしオメガの時計を着けて本格的なダイビングを楽しみたいなら、やはり、ダイバー向けに作られた「シーマスター」を選ぼう。
最深6000mの高い防水性能もラインナップ
ダイバーズウォッチとしてオメガ公式が勧めるシーマスターの現行モデルは、以下のタイプだ。
- ダイバー 300M
- シーマスター 300
- プロプロフ 1200M
- プラネットオーシャン 600M
- プラネットオーシャン ウルトラディープ 6000M
シリーズ名の後の数字がそのまま潜水用防水性能である。ダイバー300Mなら水深300mまでの使用に耐えられるという意味だ。
自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.6mm)。30気圧防水。91万3000円(税込み)。
自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径43.5mm、厚さ16.1mm)。60気圧防水。108万9000円(税込み)。
「プラネットオーシャン ウルトラディープ」は、マリアナ海溝の最深部に到達した探検家が着けていたシリーズとして知られる。とはいえ、通常のダイビングなら100〜200m防水で十分であろう。シーマスターなら、どれを選んでも基本的には問題ない。
上記に挙げた以外では、150m防水の「アクアテラ」も人気だ。
自動巻き(Cal.8912)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(55mm×45mm、厚さ15.5mm)。120気圧防水。220万円(税込み)。
自動巻き(Cal.8912)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。Tiケース(直径45.5mm、厚さ18.1mm)。600気圧防水。209万円(税込み)。
抜群の耐久性と視認性
シーマスターはダイビングを想定して作られた時計だ。耐久性、視認性にも不安要素がない。シーマスターは全てのモデルがマスター クロノメーター認定を受けており、5000G相当の衝撃に耐えるテストすらもクリアしている。
深い海の中で時間が読み取れるよう、インデックスや針の形も工夫されている。装飾を最低限に抑え、アロー型やくさび形といった形状を採用することで視認性が高められているのだ。
スピードマスターは海でのレジャーにも活躍
オメガのスピードマスターはダイバー向けでこそないが、5〜10気圧防水の日常生活用強化防水の性能を持つ。日常生活での水ぬれはもちろん、海でのレジャーでも軽く水がかかる程度なら問題なく使える。ただし中には3気圧防水のモデルもあるため、購入前にしっかり調べておきたい。
ダイビングに使うなら、シーマスターという選択肢がある。スピードマスター同様に高機能な時計がそろっているので、用途に合わせて選ぶとよいだろう。
https://www.webchronos.net/features/93837/
https://www.webchronos.net/features/96127/
https://www.webchronos.net/features/94246/