日本の時計ブランドが誇る、ソーラーウォッチ9選。光発電の名機を知ろう【シチズン、カシオ、セイコー】

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2024.12.04

近年は光発電で動力を確保する「ソーラーウォッチ」が時計市場に増えた。ソーラーウォッチの購入にあたっては、まず主力メーカーの注目モデルを押さえておこう。代表的な3メーカーであるシチズン、カシオ、セイコーの取り組みと、各メーカーのソーラーウォッチ9モデルを紹介する。

セイコー アストロン SBXY063


ソーラーウォッチの主力は国産メーカー

光発電によってほぼ電池を交換しなくてよいソーラーウォッチは、アウトドア、スポーツからビジネスシーンまで幅広く活躍する。ソーラーウォッチの主力となっているのは、主に日本の時計メーカーだ。シチズン、カシオ、セイコーの3社が、どのように光発電の腕時計に取り組んでいるのかを見てみよう。

シチズン

ソーラーウォッチ

シチズンは、1995年から独自技術のエコ・ドライブにより、太陽光や室内の光を時計の動力にすることを可能にしている。同社が展開するブランドはその多くが光発電モデルをラインナップしているが、中でも「アテッサ」「エコ・ドライブ ワン」が、高い支持を得ている。

シチズンは、時刻が自動修正される電波ソーラー時計、「ディスク式デイ&デイト電波時計」の発表など、光発電の腕時計を進化させ続けている。2023年にはエコ・ドライブ ワンから、1回フル充電すれば365日充電しなくてよい、光発電のクォーツ時計Eco-Drive 365が発売された。

カシオ

ソーラーウォッチ

カシオがソーラーウォッチに採用しているのは、ソーラーパネルと二次電池を組み合わせた独自のシステム「タフソーラー」だ。タフソーラーを採用した光発電の腕時計は、「G-SHOCK」はもちろん、「オシアナス」や「プロトレック」からもリリースされている。

中でも、世界初のフルメタルクロノグラフ電波ソーラーウォッチとして2004年に誕生したのがオシアナス。「Elegance, Technology」をコンセプトに掲げているとおり、スポーティーとエレガンスを融合させたデザインの時計を展開している。ソーラー充電だけでなく、標準電波受信、モバイルリンク機能など多様な機能を備えたラインナップが魅力だ。

セイコー

ソーラーウォッチ

多彩な腕時計を展開するセイコーも、光発電に対応したモデルを生産している代表的なメーカーだ。セイコーの1ブランドである「セイコー アストロン」は、「アストロン オリジン ソーラー電波」や「アストロン オリジン GPSソーラー 5X」などの電波ソーラーウォッチをリリースしている。

とりわけアストロン オリジン ソーラー電波は、1969年の「クオーツ アストロン」のスタイルを踏襲しながら最新技術が存分に盛り込まれている。太陽光に加えて室内灯の光もエネルギーに変換でき、モデルによってはパワーセーブが発動しなくても約9カ月稼働するという性能の高さが魅力だ。


シチズンのソーラーウォッチ

1918年創業のシチズン時計は、市民のために腕時計を作り続けてきたブランドだ。歴史に裏打ちされた技術力は、ソーラーウォッチにも表れている。シチズン時計の光発電モデルから、おすすめの3本を紹介しよう。

「クリエイティブ ラボ Eco-Drive 365」Ref.BN1015-52E

クリエイティブ ラボ Eco-Drive 365 BN1015-52E

シチズン「クリエイティブ ラボ Eco-Drive 365」Ref.BN1015-52E
光発電エコ・ドライブ。SSケース(直径42.5mm、厚さ11.1mm)。10気圧防水。6万3800円(税込み)。(問)シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807

2023年10月19日、シチズンに新たなブランド「シチズン クリエイティブ ラボ」が誕生した。そのデビュー作として登場したのが、1回のフル充電で365日も動く新開発ムーブメントを搭載した「Eco-Drive 365」で、限定モデルを含む3種類がラインナップされている。

中でも、ひときわクールな雰囲気を放っているのが、全体にブラックのメッキが施された「BN1015-52E」だ。1973年に発売されたクォーツ時計「シチズン クオーツ E・F・A」に着想を得たレトロなデザイン、満点の星空のようなダイアルのラメが、クールな佇まいの中にロマンチックな雰囲気をプラスする。

また光発電の効率が高く、充電警告機能や過充電防止機能を備えるなど、ソーラーモデルに欠かせない基本機能も十分だ。

シチズン アテッサ「AT8040-57E」

アテッサ AT8040-57E

シチズン アテッサ「AT8040-57E」
光発電エコ・ドライブ。Tiケース(直径41.5mm、厚さ9.7mm)。10気圧防水。13万2000円(税込み)。(問)シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807

シチズン アテッサからは、1/20秒クロノグラフ、ワールドタイム機能搭載の電波ソーラー腕時計「AT8040-57E」をおすすめしたい。手が届きやすい価格ながら、優れた視認性と機能性を備えつつ、均整の取れたデザインにも目を奪われる1本だ。

「AT8040」は、累計出荷本数15万本以上を誇る人気シリーズ。万人に愛されるデザインや使いやすさ、機能性を求めるなら、ぜひとも選択肢に加えたい。日本だけでなく、中国、アメリカ、ヨーロッパでも自動的に時刻やカレンダーを修正してくれる機能も便利だ。

AT8040-57Eは、ブラックダイアルにシルバー色のスーパーチタニウムを組み合わせた精悍なルックスのモデルだ。3つのサブダイアルが配置されており、計器のような雰囲気を好む人にもマッチする。パワーセーブ作動時なら、光発電なしでの持続時間は約10カ月を誇る。

「エコ・ドライブ ワン」Ref.AR5025-08E

エコ・ドライブ ワン AR5025-08E

シチズン「エコ・ドライブ ワン」Ref.AR5025-08E
光発電エコ・ドライブ。SSケース(直径39mm、厚さ2.98mm)。日常生活用防水。44万円(税込み)。(問)シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807

シチズン独自の光発電技術であるエコ・ドライブの名を冠したブランドが、エコ・ドライブ ワンだ。シンプルかつ上品に作られた腕時計は、快適さとともに優雅な時間をもたらしてくれるだろう。

その中でも「AR5025-08E」は、実用性を高めながらも薄さを追求したハイエンドモデルだ。1mmの薄型ムーブメントに85個の部品を詰め込み、新素材の採用で時計の薄さと強度を両立している。ワニ革のストラップとダイアルがブラックで統一されており、シックな魅力がある。

電波ソーラーウォッチと違って時刻の自動修正機能は持たないが、±15秒/月と高精度だ。一度フル充電すれば、光発電なしで約12カ月は動く。


カシオのソーラーウォッチ

カシオといえばG-SHOCKのカジュアルでマッシブなイメージが強いが、一方のオシアナスやMR-Gは、洗練されたスタイルや高級感が楽しめる。もちろん独自の発電システムをはじめ、機能性にも不足はない。カシオのソーラーウォッチを3本紹介しよう。

オシアナス「クラシックライン」Ref.OCW-T5000-1AJF

オシアナス クラシックライン OCW-T5000-1AJF

オシアナス「クラシックライン」Ref.OCW-T5000-1AJF
タフソーラー。Tiケース(縦47.4×横38.2mm、厚さ10.4mm)。10気圧防水。16万5000円(税込み)。(問)カシオ計算機お客様相談室 Tel.0120-088925

ラウンドケースが多いオシアナスの中で、スクエアタイプの個性的なモデルもある。クラシックラインの「OCW-T5000-1AJF」は、オシアナスのブランドカラーである青を取り入れつつ、落ち着いた配色に仕上げている。

スマートフォンアプリの「CASIO WATCHES」に対応するモバイルリンク機能を利用すれば、自動で時刻が修正される仕様だ。モバイルリンク機能を使っていないときでも、±15秒/月の精度で時を刻んでくれる。フル充電から光発電なしで動く時間は、パワーセービング状態なら約18カ月、パワーセーブを設定していても約5カ月と長い。

オシアナス「マンタ」Ref.OCW-S7000C-2AJF

オシアナス マンタ

オシアナス「マンタ」Ref.OCW-S7000D-7AJF
タフソーラー。Tiケース(直径42.8mm、厚さ9.5mm)。10気圧防水。19万8000円(税込み)。(問)カシオ計算機お客様相談室 Tel.0120-088925

「Elegance, Technology」を標榜するオシアナスの中でも、上質な仕上げと薄く優美なフォルムを追求しているのが「マンタ」だ。デザイン性に優れるのみならず、わずか9.5mmのケース、そしてこのケースに併せて薄く仕立てられたブレスレットは軽量なチタン製であることも相まって、とても装着感が高い。

掲載モデルは、2024年1月に発表された新作モデル。同シリーズでは珍しい、ホワイト文字盤にブルーのインダイアルを備えた“パンダ”風の顔立ちとなっている。

また、薄型フォルムでありながらも、クロノグラフムーブメントを搭載しており、タキメータースケールが印字されたベゼルはインダイアルと合わせてサファイアクリスタル製だ。クロノグラフのスタイルが好きというユーザーは多いだろう。機能美あふれる光発電ウォッチを探しているなら、ぜひ本作を検討してほしい。

G-SHOCK「フロッグマン」MRG-BF1000R-1AJR

MRG-BF1000R-1AJR

G-SHOCK「フロッグマン」MRG-BF1000R-1AJR
タフソーラー。Tiケース(縦56×横49.7mm、厚さ18.6mm)。200m防水。59万4000円(税込み)。

G-SHOCKの最上位シリーズにあたり、ソーラーウォッチの中でもハイエンドに位置するのが「MR-G」だ。従来の樹脂に代わってフルメタル製G-SHOCKとして1996年に誕生したこのシリーズ。現行コレクションは各パーツを細分化することで、複雑な形状を持ちながらも上質な仕上げを与えられており、「高級G-SHOCK」としての威厳を放っている。

掲載モデルは、ダイバーズウォッチの「フロッグマン」をMR-Gとした1本。フロッグマンの左右非対称のケースデザインや多機能性はそのままに、チタン素材を外装に用いており、上質さと軽量さを両立している。

なお、チタン製のケースバックにサファイアクリスタルガラスを圧入しており、フロッグマンらしい高気密構造を維持しながら、内臓アンテナの電波受信感度も確保している。このケースバックには、フロッグマンにおなじみのカエルもあしらわれているのが、ファンにはうれしいポイントだ。


セイコーのソーラーウォッチ

ソーラーウォッチの雄と言えば、セイコーも忘れてはならない。同社が展開するセイコー アストロンより、お勧めモデルを3本紹介する。

セイコー アストロン「Nexter」Ref.SBXD023

セイコー アストロン「Nexter」Ref.SBXD023

セイコー アストロン「Nexter」Ref.SBXD023
GPSソーラー(Cal.3X62)。Tiケース(直径42mm、厚さ12mm)。10気圧防水。27万5000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012

「Solidity & Harmonic」をコンセプトに、強い意志と調和の精神を併せ持った次世代のリーダーに寄り添う腕時計として2022年に誕生したのが、セイコー アストロンの「Nexter(ネクスター)」だ。誕生からわずか2年でありながら、限定モデルを含め、さまざまなバリエーションが展開されている。

このモデルは、2024年9月にリリースされた、二層構造のベゼルとエッジの効いたシャープなケース、そして天体をモチーフにした文字盤を特徴とする1本である。この深みのあるブルー文字盤は、地球がイメージされた。

直径42mm、厚さ12mmと決して小ぶりなケースではないものの、チタン製なので軽量。また、セイコー独自の表面加工技術であるダイヤシールドによって、傷が付きにくく、デイリーユースに好適なソーラーウォッチでもある。

さらに、GPS衛星電波修正ウォッチとなっており、GPS衛星からの信号を受信して時刻を修正してくれる。GPS衛星電波は地上電波より電波の受信範囲が広いので、世界中を移動したり地上電波の届かない場所に行ったりするうーざーにお勧めだ。

セイコー アストロン「Nexter」Ref. SBXY063

セイコー アストロン SBXY063

セイコー アストロン「Nexter」Ref.SBXY063
ソーラー電波。Tiケース(直径39.6mm、厚さ9.5mm)。10気圧防水。13万2000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012

同じくセイコー アストロンのNexterから、コンパクトな径39.6mmモデルを紹介したい。

本作は前述したGPS衛星電波修正機能は持たず、ソーラー電波ウォッチとなっている。だからこそ、この扱いやすいサイズ感や、シンプルな顔立ちを実現している。もっとも、多角形状のベゼルや力強い型打ちパターンがあしらわれた文字盤など、個性の強さは十二分。スーツの袖口からさりげない、しかし確かな存在感を放ってくれるだろう。

セイコー アストロン「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」Ref.SBXC151

セイコー アストロン「Nexter GPSソーラー デュアルタイム・クロノグラフ」Ref.SBXC151
GPSソーラー(Cal.5X83)。フル充電時約2年(パワーセーブ時)。Ti+ダイヤシールド(直径43.3mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。30万8000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012

2018年、セイコー アストロンに誕生したGPSソーラームーブメントCal.5X系。このムーブメントを2024年、さらに進化させたうえで登場したのが、本作に搭載されるCal.5X83だ。デュアルタイム表示、そして1/20秒計測を可能としたストップウォッチ機能を追加するなど、いっそうの多機能性を誇るとともに、従来のCal.5X53にもあったタイムトランスファー(センターの時刻と6時位置のインダイアルの第2時刻を、ボタン操作で入れ替える機能のこと)の切り替え時間が大幅に短縮され、充電効率が高められたこともポイントだ。

さらに、従来の箱型パッチアンテナから、平面アンテナと誘導体アンテナを併用することで、縦3つ目の文字盤レイアウトを実現。機能においても意匠においても、極められたソーラーウォッチと言えるだろう。


光を動力に変えるソーラーウォッチでエコな毎日を

光発電で動かすソーラーウォッチなら、定期的なバッテリー交換や充電の手間を省けるうえ、エコな暮らしも実現できる。日本の3大時計メーカーからさまざまなモデルが発表されているので、気に入った1本を探してみよう。

光発電システムだけでなく、時計としての機能やデザインもメーカーやブランドによって変わってくる。それぞれの特徴をつかめば、ソーラーウォッチを楽しんで選べるはずだ。


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