イタリア的美意識と日本のファクトリーから生まれたロングホーズを紹介。単調になりがちな足元に、美しいスパイスを与えてくれるのがイルレガロ「パピートゥースロングホーズ」だ。黒、紺の次に揃えてほしい。
ロングホーズに適した良質の細い綿糸をイタリアから取り寄せ、高付加価値のあるモノ作りに特化した国内のファクトリーで編み立てている。独特のメランジ感とマーセライズ加工によりシルクのようなツヤ感を実現している。日本製。「パピートゥースロングホーズ」。右からBROWN、BURGUNDY、OLIVE、NAVY。各4400円(税込み)。
吉江正倫:写真 Photograph by Masanori Yoshie
[クロノス日本版 2023年11月号掲載記事]
足元の美しい風景は、このイルレガロから
足元の大切さは着こなし上手の男性なら誰でも知っていること。今回紹介したいのは主役の靴ではなく、ソックスの方だ。スーツを着たときに欠かせないのが長い丈のソックス、つまりロングホーズである。というのも、足を組んだときに短いソックスだとすねが見えてしまう。それを防ぐのに役立つのがロングホーズというわけだ。
そこでおすすめしたいのが日本のソックスブランドのイルレガロだ。ここ最近は国内の他社ブランドにもロングホーズのカラーバリエーションが増えてきた。とはいえ、まだまだ展開色も少なく、コーディネイトしやすい地味な単色使いのものが多い。これはおそらくソックスに比べてロングホーズの愛用者が圧倒的に少ないため、無難な色を多く生産しているのだろう。その点、イルレガロの秋冬の新作「パピートゥースロングホーズ」は、イタリアから取り寄せた上質の細い綿糸を使って、美しい配色のものを提供している。同社のコンセプトである「イタリア的美意識と日本の技術力の融合」というのも、この魅力的なロングホーズを見れば納得できるだろう。
さて、こちらの特徴は、おなじみの伝統柄「ハウンドトゥース(猟犬の牙)」よりも細かな「パピートゥース(子犬の牙)」にしていること。さらに長めのリブ部分(単色)と、同系色のトゥース柄を組み合わせることで濃淡のアクセントが生まれ、都会が似合う洗練された伝統柄に仕上がっているという点だ。技術面では国内有数のファクトリーで丁寧に編み立てているため、高品質を実現。独特のメランジ感と、糸の毛羽を取る加工(マーセライズ加工)を施すことによって、快適な履き心地と、まるでシルクのような光沢感を引き出しているところもホージャリー好きにはたまらない。
ピカピカに磨かれた靴につい目が行きがちだが、ロングホーズも足元の風景の一部。定番の伝統柄やダークな単色に飽きた貴兄には、ちょっとモダンで美しいロングホーズで色を加えたい。
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