プロレスラー坂口征二の愛用時計は、アントニオ猪木から贈られたロレックス

さまざまなジャンルの有名人が愛用する腕時計に着目して紹介する「セレブウォッチ・ハンティング」。今回はプロレスラーの坂口征二が愛用するロレックスの「オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト」に着目した。

沼本有佳子:文
Text by Yukaco Numamoto
2023年11月19日掲載記事

アントニオ猪木から贈られた思い出深いロレックスを着用する坂口征二

坂口征二

写真:Yukio Hiraku/AFLO
1986年に撮影された写真。このとき坂口征二は新日本プロレスでアントニオ猪木とタッグを組んだ。

 昭和期に活躍し、現役時代は「世界の荒鷲」と呼ばれた、現在は新日本プロレスの相談役を務める坂口征二。2023年9月に撮影された猪木寛至一周忌法要「燃える闘魂 アントニオ猪木之像」の除幕式で撮影された坂口征二の左手首には、ロレックスの腕時計「オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト」があった。このロレックスは、アントニオ猪木から還暦祝いとしてプレゼントされたものだそうだ。

 坂口征二は、元々は柔道家として1965年のリオデジャネイロオリンピックに出場し、銅メダルを獲得した経験を持つ。その後25歳でプロレスラーに転向した。194cmという当時の日本人にしては珍しい高身長で、外国人選手にも引けを取らない体格だった。米国でのリングネームは「ビッグ・サカ」だったというのも納得だ。

 米国での武者修行を終えた帰国後、坂口征二はジャイアント馬場やアントニオ猪木に並ぶスターとなり、数々の名勝負と輝かしい成績を残した。新日本プロレスに移籍した後は、アントニオ猪木とタッグを組む。「黄金コンビ」と呼ばれる人気ぶりで、観客動員数に苦しんでいた新日本プロレスの救世主となった。

 坂口征二と共にタッグを組んだカリスマ的人気を誇るアントニオ猪木は2022年10月1日に亡くなった後も、さまざまなイベントが企画されている。2023年8月3日から15日までは東京・京王百貨店で「燃える闘魂・アントニオ猪木展」が開催され、大好評のうちに閉幕した。同展は11月15日から26日までは大阪・阪神百貨店で開催される。坂口征二にとっては、約50年の年月を共にした唯一無二の存在、アントニオ猪木が今もこうしてファンの心をつかんでいることが誇らしいのではないだろうか。

 アントニオ猪木一周忌法要の際に、当時81歳だった坂口征二は数々の思い出深いシーンを回想し、その時着用していた腕時計について「(アントニオ猪木から)還暦祝いでプレゼントされたロレックス」と報道陣に紹介した。これ以外にも何本かロレックスを所有していたがすべて売却し、現在はこれだけを大切にしているそうだ。「すごい価値だろうね」と豪快な笑顔を見せる坂口征二にしか知りえない思い出が詰まったスペシャルな一本だ。


オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト

写真:東京スポーツ/アフロ
アントニオ猪木一周忌法要で撮影された坂口征二の手元。この腕時計は、1989年から2009年の間に発売されていた「オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト」Ref.16613LNであると思われる。LNは黒文字盤を指す品番だ。

 1953年に発表されたロレックスのサブマリーナーは水深100mまでの防水性能を備えたロレックス初のダイバーズウォッチだ。目盛り入りの回転ベゼル、大きな針と蓄光素材が施され、アワーマーカーを備えた視認性の高いディスプレイはダイバーズウォッチのデザインのスタンダードとして現在もロレックスのコレクションの中で特別な存在感を放っている。

 坂口征二が着用している「オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト」は、「還暦のお祝いとしてもらった」という彼の言葉から逆算すると、還暦を迎えたのは2002年なので、1989年から2009年の間に販売されていたRef.16613LNであると考えられる。搭載されるムーブメントは前モデルのCal.3035から、シングルブリッジだったテンプ受けがツインブリッジとなったCal.3135に変更され、メンテナンス性が向上している。このムーブメントは1987年の発表から27年の間、ロレックスのデイト表示モデルに使われることとなる。

 坂口征二は、2023年3月に開催された「アントニオ猪木お別れ会」でもこの腕時計を身に着けた写真が撮影されている。坂口征二が「他のロレックスは手放した」と語ったのは、どの腕時計にも代えがたい思い出が詰まっていることが感じられるエピソードだ。同月には、日本プロスポーツ大賞スポーツ功労者顕彰を受賞しているが、おそらくこの日にも坂口征二の腕には同じ腕時計が着けられていたことだろう。

「オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト」の現行モデルであるRef.126613LNは、当時よりケースサイズが1mmほど大きくなっている。搭載されるムーブメントは2015年に初出のCal.3235で、新規特許14件を獲得している。歯形の変更と軽量化が施されたクロナジーエスケープメントによって、脱進機効率が高められている。

オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト

ロレックス「オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト」
自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS×18Kイエローゴールド(直径41mm)。300m防水。204万3800円(税込み)。


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