世界中で加速する地球環境への配慮や持続可能なものづくり。時計製造においてもそれは変わらない。「サステナブル・ラグジュアリーへの旅」をテーマに未来の構築に取り組むショパールはまさにその先駆者だ。
原材料の生産から調達、加工まですべてのプロセスに注意を向けるメゾンの姿勢は、我々に新たな購入基準となる真のラグジュアリーを示している。
国際的な環境・社会基準を満たす責任を持って調達されたゴールド素材であるエシカルゴールド。ケースとブレスレットから放たれる輝きの陰には、こうしたブランドの責任ある取り組みが秘められている。C.O.S.C.認定クロノメーター。自動巻き(Cal.Chopard 01.01-C)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18Kエシカルローズゴールド(直径41mm、厚さ9.7mm)。100m防水。(左)パイングリーンダイアル。ショパールブティック限定。789万8000円。(右)アレッチブルーダイアル。775万5000円。
前田清輝:取材・文 Edited & Text by Seiki Maeda
[クロノス日本版 2024年1月号掲載記事]
新たな未来を構築するラグジュアリー
2023年のウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブで、リサイクルスティールへの新たな取り組みを語った、ショパール共同社長のカール-フリードリッヒ・ショイフレ。19年にリサイクルスティールを70%含有するルーセントスティール™を採用した初のコレクション「アルパイン イーグル」を発表したのは記憶に新しいところだが、そこから発展させて23年末までにすべてのスティール製ウォッチにリサイクル率80%のルーセントスティール™を使用することを決定。さらに25年までにその率を90%以上へと引き上げるという。
ルーセントスティール™は、ショパールが地域に根差した循環型製造体制を構築したことで誕生した素材だ。サプライヤーはすべて、スイスもしくは近隣のオーストリア、フランス、ドイツ、イタリアなどのショパールの製造拠点から1000km以内にすることで輸送によるCO2排出量を抑えている。加えて、リサイクル率の向上はさらなるCO2排出量の削減にもつながっている。
13年に始まったサステナビリティ推進プログラム「サステナブル・ラグジュアリーへの旅」。最初は公正に採掘されたフェアマインド認証ゴールドを初めてジュエリーに採用するところからスタートした。さらに人権と環境に配慮し、責任ある供給元から調達したゴールド素材であるエシカルゴールドを18年7月以降の時計とジュエリーの全製品に拡大。トレーサビリティも確保するように努めてきた。ウォッチズ&ワンダーズで発表された新たな目標は、その取り組みが次のステージへと前進していることを我々に示してくれたのだ。
ルーセントスティール™をまとったクロノグラフ
そんなルーセントスティール™をまとったクロノグラフの新作がコレクションに加わった。アルプスの南斜面から見下ろす地中海の紺碧の海を連想させる「マリタイムブルー」は、イーグルの虹彩を思わせるサンバーストモチーフの質感と相まって輝く水面のような美しさを放つ。また、インナーベゼルのタキメーターの100、160、240の数字の隣にオレンジ色で目盛りを印字することで、文字盤全体にダイナミックな印象をもたらしているのも見逃せない。
「アレッチブルー」「ベルニナグレー」「ピッチブラック」、そして22年に加わった「パイングリーン」と今回の「マリタイムブルー」。エシカルな素材とともに文字盤を彩るアルプスの美しい景色を織り成す自然の色彩に着想を得たカラーリングにも同社が目指すサステナブル・ラグジュアリーのコンセプトが息づく。環境に配慮した循環型製造体制と自然環境保護に取り組み続けるメゾンのものづくりは、我々に時計選びの新しい基準と持続可能な未来をもたらしてくれるのだ。
リサイクル率80%以上のルーセントスティール™を採用した新作。この素材は抗アレルギー性と一般的なSSの1.5倍の耐摩耗性を併せ持つのに加えて、より明るい光沢、輝度も備える。C.O.S.C. 認定クロノメーターのフライバッククロノグラフ。自動巻き(Cal.Chopard 03.05-C)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。ルーセントスティール™(直径44mm、厚さ13.15mm)。100m防水。ショパールブティック限定。295万9000円。
Contact info: ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922
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