さまざまなジャンルの有名人が愛用する腕時計に着目して紹介する「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は2015年にM-1王者となったお笑いコンビ、トレンディエンジェルの斎藤司とたかし（本名／須藤敬志）のふたりが愛用する、ロレックスとカシオの腕時計に着目した。
Text by Yukaco Numamoto
2023年12月3日掲載記事
ポジティブなメンタルが持ち味のコンビ、トレンディエンジェル
トレンディエンジェルが広く有名になったきっかけは、2015年のM-1グランプリだ。サンドウィッチマン以来の2組目となる敗者復活枠からの優勝ということで話題になり、記憶に残っている方も多いのではないだろうか。トレンディエンジェルは2004年に結成したコンビで、スピード感のある漫才が特徴だ。格言や名言をパロディ化する芸も持ち合わせている。
元々は普通の漫才やコントも行っていたのだが、事務所の先輩であるダイノジの大谷からアドバイスを受けて「ハゲをネタにすることにした」という。最初は「ハゲで笑いを取るような時代ではないのでは……」という葛藤もあったものの、今やすっかりトレンディエンジェルといえば、という芸に定着している。
斎藤司はダンスが得意でファッションにも興味を持ち、芸人のみならず俳優やミュージシャンなど広い交友関係を持つ。元々は楽天のアルバイトとして法人営業を行っており、勤務態度と成績の良さから契約社員になる話もあったそうだ。たかし（本名／須藤敬志）はメイド喫茶やアイドルなどのサブカルチャーと千葉ロッテマリーンズを好む。両者とも、趣味に対していかにも芸人という愛の深さがうかがい知れるエピソードを豊富に持つ。
コンビ名の由来は、格好良い雰囲気の「トレンディ」と、お笑いらしさのない「エンジェル」を組み合わせて「トレンディエンジェル」とした。コンビ仲が良いことを公言し、ほのぼのとした空気と信頼関係がやりとりからも伝わってくる。
トレンディエンジェルたかしの愛用時計はロレックス「オイスター パーペチュアル ヨットマスターⅡ」
トレンディエンジェルたかしの腕元を見ると、ロレックス「オイスター パーペチュアル ヨットマスターⅡ」と思われる腕時計が着けられてた。とんねるずが司会を務めるテレビ番組の企画で買った腕時計だろう。2011年に登場したRef.116681だと思われる。番組が放送されたのは2016年12月1日なので、本モデルはCal.4160または4161を搭載した初期モデルであると考えられる。
「オイスター パーペチュアル ヨットマスターⅡ」はレガッタレースに特化したレガッタクロノグラフ機構が付いたモデルである。ケースサイズは直径44mmと大きく、重量感はあるが、視認性も高く、ロレックスの人気モデルのひとつである。最も大きな特徴はカウントダウン機能であり、これはレガッタレースにおいて勝敗を左右するスタート時に役立つ。ロレックスのプロフェッショナルウォッチコレクションの中でもヨットレースに関わるモデルは格式が高いモデルとして知られている。
たかしが購入したモデルは、ロレックスのスポーツモデル初となるオイスタースティールとエバーローズゴールドのロレゾールモデルであり、ブルーセラクロムベゼルとのコントラストが映える1本だ。購入時期を2016年だとすると、2017年にマイナーチェンジが行われる前のRef.116681の初期モデルであると考えられる。たかしは購入時には「時計に興味はそんなにない」と言っていたものの、ロレックスの中でも個性と存在感のある1本を選択している。
自動巻き（Cal.4161）。42石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約72時間。オイスタースティール×エバーローズゴールドケース（直径44mm）。100m防水。
トレンディエンジェル齊藤司の愛用時計はファッショニスタの定番「カシオ スタンダード」
2023年5月に斎藤司が投稿したインスタグラムを見ると、カシオ スタンダードコレクションの「カシオ クラシック A159WGEA-1JF」と思われる腕時計が着けられていた。時計好き、ファッション好きなら一度は目にしたことがある時計なのではないだろうか。シンプルなデザインでありながら、アラームやLEDライトを備えた実力派クォーツデジタル時計だ。チープカシオ、という愛称で親しまれるが値段以上に活躍することは間違いない。サイズも小ぶりで軽いため、ユニセックスで使用できるカシオのロングセラーモデルである。
「カシオ スタンダード」が初登場となったのは1980年のことである。計算機メーカーであるカシオは「データバンクC-80」で世界を驚かせたことを皮切りに、さまざまな機能を搭載した腕時計を生み出していった。カシオの歴代のモデルの中には万歩計の機能や温度計機能、ゲームといった今では当たり前になったデジタル時計に付随する機能を搭載したものがある。30年以上前から開発し、リリースしていたという事実に今改めて驚かされる。
手頃な価格で実用性もデザイン性も高く、話題にも事欠かないチープカシオは世界中で愛される。時計愛好家だけでなく、多くのファッション愛好家にも愛されている。斎藤司は前述したとんねるずの番組で、たかしがロレックスの「オイスター パーペチュアル ヨットマスターⅡ」を購入したのと同じタイミングで、パテック フィリップ「ノーチラス」Ref.5712のプチコンプリケーションを購入していたが、実はそちらは2022年に競馬で負けた1000万を補填するために、M-1で優勝した際に購入したロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」と合わせて売却したらしい。
最近は漫才だけでなく、ダンスやミュージカルの仕事も増え、ファッション感度の高いメンバーに囲まれている齊藤司。相方のたかしは齋藤へ「漫才への興味が薄れてきているのでは」と心配するコメントも出しているが、年末年始の番組でもふたりの姿を見ることができるのを楽しみにしたい。
クォーツ。樹脂×SSケース（縦36.8mm×横33.2mm、厚さ8.2mm）。日常生活防水。7150円（税込み）。
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