ウブロと長年コラボを続けるロックバンド、デペッシュ・モードにインタビュー

イングランド出身のロックバンド、デペッシュ・モードは世界でも有名なバンドのひとつだ。ウブロは2010年以来、このバンドとさまざまなプロジェクトでコラボレーションしている。バンドのリーダーであるマーティン・ゴアとボーカルのデイヴ・ガーンに、ベルリンでのコンサート後、彼らとウブロとのパートナーシップ、そして時間というトピックについて質問する機会を得た。

2010年からウブロとコラボレーションを続けるデペッシュ・モード

WatchTime：マーティンに質問です。ウブロの前責任者のジャン-クロード・ビバーは、ある日曜日にプラハのウブロのブティックで、あなたと出会った話をしてくれました。デペッシュ・モードがウブロとパートナーシップを結んだのは純粋な偶然なのでしょうか？　それともこのブランドに対して、何か思い入れがあったのでしょうか？

マーティン・ゴア：もともと私はスイスのツアー中にウブロの腕時計を購入し、とても気に入っていました。今でもジャン-クロード・ビバーと出会った日のことはよく覚えています。プラハを歩いていたらウブロのショップに行きあたり、開いていると思って、中に入りました。実際は閉まっていたのですが、ジャン-クロード・ビバーが中にいて、私たちに気が付いたのです。後はご存じのとおりです。

WatchTime：ウブロとのコラボレーションはどのように実現したのですか？

マーティン・ゴア：ジャン-クロード・ビバーに出会った時、ウブロに非常に興味があると話したのが始まりでした。最初からお互いに良い印象があり、同じ価値観を共有していたため、すぐにコラボレーションをしようということになりました。多くの人たちと一緒に取り組めたのは素晴らしいことです。

お気に入りはスタイルと機能性を兼ね備えた時計

WatchTime：あなたにとって、最も大事な腕時計の機能はなんですか？

マーティン・ゴア：スタイルと機能性を兼ね備えた、大きくてがっしりとした時計が好きです。スポーツをするときは、歩数を測ってくれる時計がいいですね。

WatchTime：今着けている時計はなんですか？

マーティン・ゴア：これは、クラシックなウブロの「ビッグ・バン」です。

WatchTime：ステージ上でも腕時計を着けることはありますか？

マーティン・ゴアとデイヴ・ガーン：ステージ上ではあまり着けないですね。アクセサリーはネックレスか、ブレスレットくらいです。

未来をより良いものにすることを考えるべき

WatchTime：デペッシュ・モードとウブロは、今回のコラボレーションで世界的な環境保護団体であるコンサベーション・コレクティブを支援しています。支援先としてこの団体を選んだ理由は何ですか？

マーティン・ゴア：私たちはキャリアを通じて、世界に変化をもたらすことができるさまざまな組織を支援することを常に楽しんできました。私たちがコンサベーション・コレクティブを選んだのは、環境の保護、回復、保全は私たち全員が行うべきことだと強く信じているからです。つまるところ、地球は私たちが持つ唯一の惑星であり、私たち全員が未来をより良いものにすることを考えるべきなのです。

WatchTime：持続可能性と環境保護に関して、世界中のファンにメッセージをお願いします。

マーティン・ゴア：すでに転換点は過ぎていますが、私たちには少しずつでも取り返していく責任があります。小さな行動でも、大きな影響を与えることができるのです。

音楽は記憶と経験を結びつける

WatchTime：時計は時間を計測するものですが、アンディ（創立メンバーで2022年5月26日に逝去したアンドリュー・フレッチャー）の早すぎる死の後、時間に対する考え方は変わりましたか？

マーティン・ゴアとデイヴ・ガーン：アンディが亡くなったあと、ふたりとも自分の死について考えるようになりました。今、時間は私たちに毎日を、そして人生を精いっぱい生きることを思い出させてくれます。時間は最も価値のある通貨と言えるでしょう。

WatchTime：デペッシュ・モードの音楽は時の試練に耐え、世代を超えて聴衆にインスピレーションを与えてきました。あなたたちの音楽が、人々の人生のさまざまなステージのサウンドトラックとなることを、どのように感じていますか？

マーティン・ゴア：それはまさに音楽の力だと思います。音楽は記憶と経験を結び付け、人生のさまざまな局面で聴いた音楽を聴くと、その時の感情や記憶が呼び起されます。私も、自分が育った時代の音楽を聴くと当時の思い出が蘇ってきます。だから、他の人々のそういった部分の一部となれることはとても特別なことです。

WatchTime：個人的な話ですが、私は1980年代初めからデペッシュ・モードのファンで、「Never Let Me Down Again」は今でも大好きな曲です。おふたりにとって、何年経ってもお気に入りの曲はありますか？

マーティン・ゴア：すべての曲に異なる意味があり、人生におけるさまざまな出来事を表現しているので、ひとつのお気に入りを選ぶのはとても難しいですね。いろいろな場所や時間、異なる観客とのライブで演奏するたびに、違った気持ちになりますし。だからお気に入りの一曲というのはなくて、いろんなものが組み合わさった結果なのです。