手元で“映える”ダイバーズウォッチならコレ! エドックス「ネプチュニアン グランデ リザーブ」を着用レビュー!

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2023.12.09

2023年10月20日に発売された「ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック(以下、ネプチュニアン グランデ リザーブ)」を、着用レビューする。“THE WATER CHAMPION”として、時計の防水性へのノウハウを蓄積してきたエドックスによる最新作は、手元を映えさせつつ、しっかりと作り込まれたダイバーズウォッチだ。

鶴岡智恵子(クロノス日本版):文
Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2023年12月9日公開記事]


エドックス2023年新作「ネプチュニアン グランデ リザーブ」をレビュー!

エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ

Photograph by Katsuhiko Kobayashi

 1000mという高い防水性を備える、エドックスの「ネプチュニアン オートマティック」。直径44mm、厚さ15.6mmと、大きいケースが特徴のダイバーズウォッチだ。このモデルに関しては1年前、『クロノス日本版』編集部で着用し、好き勝手に感想を言い合う“討論会”を行っている。

 そんなネプチュニアン オートマティックに、2023年7月、「ネプチュニアン グランデ リザーブ」が追加された。ケースやブレスレットを小径薄型化させながらも、ダイバーズウォッチとして必要な300m防水を確保。加えてベースムーブメントをセリタからラ・ジュー・ペレのCal.G100とすることで、パワーリザーブは約38時間から約68時間へと延びている。

エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ

エドックス「ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック」
自動巻き(Cal.EDOX 808 / ラ・ジュー・ペレCal.G100ベース)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。300m防水。35万2000円(税込み)。

 今回着用レビューしたのは、このネプチュニアン グランデ リザーブに、23年10月にバリエーションモデルとして追加されたばかりの最新作だ。ベゼルと針、インデックスのフチをPVDによってゴールドカラーに彩った本作の実力とは?


“映える”意匠と上質な外装は高い満足感を与えてくれる

 本作に限らずネプチュニアンシリーズは、セラミックス製のベゼルインサートをはじめ、ケースサイドやブレスレットのセンターリンクなど、広範囲に与えられたポリッシュ仕上げによって、きらびやかな印象を備えている。さらに、本作はゴールドカラーをまとうことで、視認性や判読性などといった実用的なダイバーズウォッチの機能はそのままに、いっそう見た目に明るく、華やいだ。実際、インプレッションは冬場だったためセーターやアウターといった重いファッションの袖口から本作に目をやる機会が多かったが、思った以上に存在感を放っていた。ブラックラッカー文字盤のツヤと相まって、かなり“映える”意匠に仕上がっている。

エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ

316Lステンレススティール製のケースとブレスレットはサテンとポリッシュのコンビネーションで仕上げられている。ラグやブレスレットに角は立っておらず、ベゼルも衣服の袖口に引っかかることはなかった。

 ベゼルやラグ、ブレスレットの角が立ちすぎていないのも良い。こういったタウンユースにも適したダイバーズウォッチはデザインの秀逸さと合わせて使用シーンが幅広く、さまざまなファッションに合わせられるだろう。そんな時、角が丸められていない腕時計は肌に負担をかけたり、衣服を傷付けたりする場合がある。本作にこういった懸念点は感じられず、肌触りもなめらかだった。

 定価は税込み35万2000円。高価格帯に舵を切る時計ブランドが少なくない中で良心的なプライシングであり、さらにこの価格帯で本作のように上質な外装を実現しているエドックスには、好感しかない。

 装着感も良好だ。本作はネプチュニアン オートマティックと比べて20%軽量化されたとはいえヘッドはそれなりに重量がある。しかし、ラグが短く、また湾曲しているため、腕回り14.7cmの自分の手首から目立って浮くようなこともなく、長時間着けても疲れは感じなかった。

エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ

ネプチュニアン グランデ リザーブはブレスレットに改良が加えられた。バタフライ式バックルの両サイドに折り畳み式エクステンションを備え、ダイビングスーツや衣服の上から着用が可能。ただし、バックル自体に微調整機能はない。

 ネプチュニアン オートマティックと比べて、ネプチュニアン グランデ リザーブはブレスレットとバックルが改良されたことも新しい点だ。一見、ネプチュニアン オートマティックと目立った違いはないが、バタフライバックル両サイドに折りたたみ式エクステンションを備えた(ネプチュニアン オートマティックはフォールディングバックルで、片サイドからスライド式にエクステンションを引き出す仕様)。前述したネプチュニアン オートマティックの編集部による討論会では、ヘッドの重量に対してブレスレット&バックル、そしてエクステンションが若干心許ないという意見が出ていたが、本作はケース自体がそこまで重くないため、ブレスレットとのバランスの良さを感じた。また、エクステンションを両サイド式とし、堅牢性に配慮されたことが分かる。

エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ

バックルもスッキリしており、デスクワークの邪魔をしない。

 エクステンション機能を日常的に用いる機会はなかなかないだろう。しかし、300m防水と併せて、本格的なダイバーズウォッチらしい仕様である。なお、バックルは微調整機能を持たないため、スッキリしている。バックルの開閉はスムーズで、脱着にストレスがない。

エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ

ネプチュニアンシリーズの人気に寄与しているひとつが、裏蓋にあしらわれたローマ神話の海の神・ネプチューンだ。細かくデザインされたメダリオンは、所有者にとって特別感をもたらす。

 ひとつ気になったのは、裏蓋にあしらわれた海の神・ネプチューンだ。ブランド広報担当者によると、ネプチュニアンシリーズの人気に寄与しているとのこと。裏蓋がねじ込み式のため、揃わないのは仕方がない部分があるが、個体によってメダリオンの向きが異なる。今回着用した個体は時計の6時側にネプチューンの頭が位置しており、12時側を正位置とすると逆さまだ。とはいえメダリオンの意匠自体は精巧で、これまた“映え”。また、手首回りぴったりのサイズで着用していたため外した時にメダリオンの跡が肌に多少付いたが、こちらも角が立ち過ぎておらず、不快感はなかった。


実用的なスペック、使い勝手も◎

 既存のネプチュニアン オートマティックに比べて確かに防水性はスケールダウンしたが、300m防水はダイビングモデルとしても、日常的な使用においても、十分だ。

エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ

ネプチュニアン オートマティックではセリタベースだが、ネプチュニアン グランデ リザーブにはラ・ジュー・ペレのベースムーブメントが用いられた。これによって約68時間のパワーリザーブを確保している。

 ラ・ジュー・ペレのベースムーブメントとすることによって、ネプチュニアン オートマティックが約38時間であることに対し、本作は約68時間のパワーリザーブだ。「グランデ リザーブ」というほど長くはないが、実用的なスペックではある。

 ねじ込み式リュウズの取り出し、操作、そしてベゼルの回転も行いやすく、総じて扱いやすいダイバーズウォッチであろう。初めて高級時計を所有するという人にもオススメできる1本だ。


“映え”を見せつつ、上質さや実用性を備えるダイバーズウォッチ

 冒頭でも述べた通り、エドックスは“THE WATER CHAMPION”を標榜し、1961年にリリースした「デルフィン」以来、信頼性の高い防水時計を製造してきた。

 今回レビューした「ネプチュニアン グランデ リザーブ」も上質な防水時計としてのキャラクターを備えつつ、ゴールドカラーによって“映え”の要素を盛り込み、エレガントなダイバーズウォッチとして仕上がった。

 価格と品質のバランスも非常に良く(お値段以上のディテールも少なくない)、幅広い層に満足感を与える1本だ。



Contact info: ジーエムインターナショナル  Tel.03-5828-9080


小型・軽量・ロングパワーリザーブのダイバーズ、エドックス「ネプチュニアン グランデ リザーブ」に新色が登場

https://www.webchronos.net/news/101862/
1000m防水のハイスペックダイバーズは日常使い可能? エドックス「ネプチュニアン オートマティック」をレビュー

https://www.webchronos.net/features/89619/
「最旬」ダイバーズウォッチ ランキング10

https://www.webchronos.net/ranking/101861/