IWCの中で人気を集めるコレクションのひとつに「ポルトギーゼ」がある。これまでポルトギーゼをノーマークだった人も、まずはラインナップをチェックしてみよう。ポルトギーゼが愛好家を引きつける理由や、新作を含めたおすすめモデルを知ると、間違いなくその魅力に気付かされるはずだ。
IWC ポルトギーゼが愛好家を引きつける理由
スイスの名だたる時計ブランドの中で、ドイツ製時計のように質実剛健な時計を展開しているのが、IWCだ。複雑機構搭載モデルも数多くラインナップする「ポルトギーゼ」は、1939年に初代モデルが誕生して以来、「パイロット・ウォッチ」とともにIWCの代名詞的コレクションとなっている。
ポルトギーゼが愛好家を魅了してきた理由とは何か。ポルトギーゼの魅力に迫ってみよう。
洗練された秒針や文字盤の造形
ポルトギーゼの大きな魅力として、無駄のないデザインによる視認性の高さが挙げられる。ダイアルにはシンプルなアラビアンインデックスと文字盤いっぱいに配置されたリーフ針を配置しており、時刻の判読性を高めている。
クロノグラフモデルにおいて、12時間積算計を搭載していないのもポルトギーゼの特徴である。12時位置に30分積算計、6時位置にスモールセコンドと、上下対称のインダイアルをふたつ設けているのみだ。
時計の存在意義である「時間を読み取る」ことを重視し、シンプルなデザインを追求している点は、ポルトギーゼが愛され続ける理由として大きい。
コンパクトさを実現するスリムなベゼル
ポルトギーゼの各モデルには、コンパクトなケースサイズに仕上がるような工夫がベゼルに施されている。通常、高性能なムーブメントを搭載できるよう文字盤を大きくすると、ケースサイズは自然と大きくなってしまう。
しかしポルトギーゼは、スリムなベゼルを採用することで、性能の優れたムーブメントを搭載しながらケース径を40mm程度に抑えている。
さらにベゼルから文字盤にかけて斜めに傾斜するフランジ(インナーベゼル)を設け、文字盤が大きく見えるように設計した。「ポートフィノ」のクロノグラフと比べてみると、ポルトギーゼはより文字盤が大きく、時間を読みやすいように感じるだろう。
IWC ポルトギーゼ・クロノグラフのおすすめモデル
数あるポルトギーゼのラインナップ中でも、まずチェックしておきたいのが「ポルトギーゼ・クロノグラフ」だ。同コレクションがIWCの代名詞となっている理由として、このシリーズの存在が大きいだろう。ポルトギーゼ・クロノグラフから、印象の異なる2モデルをピックアップした。
「ポルトギーゼ・クロノグラフ」Ref.IW371609
自動巻き(Cal.69355)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径41mm、厚さ13mm)。3気圧防水。117万7000円(税込み)。
シンプルでコンパクトながら存在感を放つのが、Ref.IW371609だ。文字盤とアリゲーター・ストラップはブラックで統一され、3時位置のIWCロゴが鮮明に浮かび上がる。
12時位置には30分積算計を配置。6時位置には秒針を停止できる機能が付いた、スモールセコンドを設けている。
シースルーバックから見える自社製ムーブメントは、自動巻きのCal.69355だ。パワーリザーブは約46時間、振動数2万8800回/時と、日常生活で使っていて不便を感じることはないだろう。
「ポルトギーゼ・クロノグラフ」Ref.IW371611
自動巻き(Cal.69355)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。18Kレッドゴールドケース(直径41mm、厚さ13mm)。3気圧防水。267万3000円(税込み)。
高級感のあるエレガントなモデルを好む人にはRef.IW371611がおすすめだ。ケースには18Kレッドゴールドを採用している。
サントーニ社製のアリゲーター・ストラップを組み合わせ、古艶のあるダークブラウンで上品かつ重厚な雰囲気を放っているのも特徴だ。時計を外すと、ストラップ内側のオレンジ色が現れるので、センスの良さもアピールできるだろう。
文字盤のアクセントとなっているのが、ブルーの秒針だ。クラシックなデザインながら、色使いに遊び心を感じられる。サファイアガラスのシースルーバックからは、Ref.IW371609と同じ自動巻きムーブメントCal.69355が眺められる仕様だ。
IWC ポルトギーゼ・オートマティック40のおすすめモデル
「ポルトギーゼ・オートマティック40」は、1939年に誕生した初代モデルのデザインを継承した、よりシンプルなルックスを特徴とするシリーズだ。2023年の新作を交えて、おすすめのモデルを2本紹介する。
「ポルトギーゼ・オートマティック40」Ref.IW358313
自動巻き(Cal.82200)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40.4mm、厚さ12.3mm)。3気圧防水。102万3000円(税込み)。
Ref.IW358313は2023年にポルトギーゼ・オートマティック40のラインナップに加わった新作で、文字盤のカラーにはサーモンカラーを採用した。サンバースト仕上げが施されたサーモンカラーの文字盤は、コーディネートに温かみをプラスしてくれるだろう。
ポルトギーゼ・クロノグラフとは異なり、サブダイアルは6時位置のスモールセコンドのみで、12時位置にはIWCのロゴをレイアウト。ポルトギーゼ・クロノグラフと比べて、よりスッキリしたデザインにまとめている。
搭載するムーブメントは自動巻きのCal.82200で、パワーリザーブは先に紹介した2本のポルトギーゼ・クロノグラフよりも長い、約60時間を誇る。
「ポルトギーゼ・オートマティック40」Ref.IW358304
自動巻き(Cal.82200)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40.4mm、厚さ12.3mm)。3気圧防水。102万3000円(税込み)。
Ref.IW358313のサーモンカラーダイアルに派手さを感じたり、コーディネートの難しさを感じたりするのであればRef.IW358304をチェックしてみよう。ケースサイズやムーブメントの仕様はRef.IW358313と同じだが、シルバーとブルーのツートーンでまとめた幅広いコーディネートに合わせやすい配色となっている。
アリゲーターストラップとリーフ針は、いずれも深いブルーだ。ポルトギーゼ・クロノグラフでは、ブルーの針を使ったモデルが通称「青針」と呼ばれており、ゴールドの針を使った「金針」とともに人気を集めている。
ポルトギーゼ・オートマティック40でも、Ref.IW358304のような青い針のモデルは、知的で落ち着いた印象を与えられるはずだ。
スタイリッシュな大人に似合うIWC ポルトギーゼ
無駄がなくスタイリッシュというIWCの特徴は、フラッグシップコレクションであるポルトギーゼにも当てはまる。文字盤を極力シンプルにして、時間が読み取りやすいよう工夫されているのはもちろんのこと、文字盤を大きく見せるベゼルやインナーベゼルのデザインも、ポルトギーゼの洗練された表情に大きく貢献している。
この記事で紹介した以外にも、魅力を引き立てるポルトギーゼは多い。まずは公式サイトやショップで豊富なラインナップをチェックし、気に入った1本を見つけ出してほしい。
https://www.webchronos.net/features/72585/
https://www.webchronos.net/features/74626/
https://www.webchronos.net/features/42052/