ETAを克服するウォッチメーカー&サプライヤー

2016.10.03
ヤジマオサム、吉江正倫、三田村優、神戸シュン:写真
Photographs by Osamu Yajima, Masanori Yoshie (P.056-061), Yu Mitamura (P.068-069), Syun Kanbe (P.070-071)
鈴木裕之、広田雅将(本誌)、鈴木幸也(本誌):取材・文
Text by Hiroyuki Suzuki, Masayuki Hirota (Chronos-Japan), Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)

2020年1月1日以降、スウォッチ グループはグループ外の
各社に対するエボーシュの供給義務を負う必要がなくなった。
これがいわゆる「ETA問題」の最終的な着地点である。
02年7月以降、不足するエボーシュを巡って大きな混乱に巻き込まれた時計業界だが、
あと3年余で形式上は一段落が付くことになる。
しかし終章間近にして、ETA問題は新たな幕を開けたとも言える。
15年12月、スウォッチ グループはETAを含むグループメーカーの修理部品供給を停止。
加えてETAは、年々削減してきたエボーシュの供給量を再び増やそうと目論んでいるようだ。
世界的な景気減退の中で繰り返される、ETAとグループ外各社の駆け引き。
では、ETA問題に直面してきた関係者とメーカーは、
如何にして現在の荒波を乗り切り、来るべき2020年1月1日に備えようとしているのか。
サプライヤー、エボーシュメーカー、修理業者、そしてジャーナリストの証言などから、
“ETA問題”のエピローグをまとめ上げることにしたい。